ホンダ陣営の新エース、リオネル・ペーニャが完勝で早くも今季3勝目/TCR南米第3戦

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2025年05月16日 07:00  AUTOSPORT web

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リオネル・ペーニャ(Honda YPF Racing/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が2戦連続のポール・トゥ・ウインを達成し、早くも今季3勝目をマークしている
 開幕から地元出身の有力ドライバーたちが猛威を振るうTCRサウスアメリカ・シリーズは、この週末も“アルゼンチン・ツアー”を継続し、5月10〜11日にサンフアン・ビリクムで第3戦を開催。南米最高峰のFF“SUV”ツーリングカー選手権、TC2000で4度のチャンピオン獲得経験を持つリオネル・ペーニャ(ホンダYPFレーシング/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が2戦連続のポール・トゥ・ウインを達成し、早くも今季3勝目をマークしている。

 隣国TC2000と同様に、ブラジルで今季よりSUV車両にスイッチしたFRストックカーを操るネルソン・ピケJr.(ホンダYPFレーシング/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、連続トップタイムを記録して始まった週末は、予選に入ると一転。リオネルの息子、ティアゴ・ペーニャ(ホンダYPFレーシング/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)を含むチームメイト親子が主導権を奪う展開に。

 予選Q1最初のアタックではトラックリミットを超えたためタイムを失ったピケJr.は、最後のチャンスでなんとかQ2進出を果たしたものの、セクターベストを刻んできたラストアタックの最終コーナーでブレーキングを誤りオーバーラップ。父リオネルが1分41秒921のレコードタイムでトップに立ち、2戦連続のポールポジションを射止めてみせた。

「今年最高の予選セッションだった。プラクティスではマシンについて多くのことを学び、セッションは非常に有益でマシン全体をより深く理解することができたんだ」と初日を振り返ったTC2000王者のリオネル。

「自分のドライビングスタイルでクルマをどんどん速くすることができ、それが今日のカギだったと思う。ポイントは非常に重要だし、我々のマシンはもっとも重いから、つねにできるだけ前に出て良いスコアを獲得することが目標だ」

 迎えたシリーズ通算70戦目の記念すべきレース1は、南半球で気温12度という寒い朝にスタートが切られると、2列目4番手発進だった息子ティアゴがストールを喫し身動きが取れず。ストレート上で停止したことでいきなりセーフティカー(SC)が介入することに。

 このスタートでフロントロウ発進だったピケJr.も5番手までポジションを落としており、再開後は終盤まで接近戦の渦中に放り込まれてしまう。結果、2度目のSCを挟んだ終盤にはディフェンディングチャンピオンのペドロ・カルドゥソ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)との勝負を強いられ、両者は接触。プジョーはコースアウトを喫し、元F1ドライバーはより大きな損失を被り、この周回でピットに戻ってリタイアとなってしまった。

 先頭ではそのまま14周を走破した父リオネルが、背後の混乱をよそに“ライト・トゥ・フラッグ”の今季3勝目を決め、2位ラファエル・レイス(W2プロGP/クプラ・レオンVZ TCR)に続き、最終ラップでカルドゥソをパスしたファビアン・シャナントゥオーニ(パラディーニ・レーシング/リンク&コー03 TCR)が並ぶポディウムとなった。

 続くレース2はリバースポールのファブリツィオ・ペッツィーニ(W2プロGP/クプラ・レオンVZ TCR)がターン1のブレーキングで後退したものの、ここで諦めることなく3周目にファン-アンヘル・ロッソ(パラディーニ・レーシング/リンク&コー03 TCR)を差し返して首位を奪還。連続SCにも動じずリンク&コー艦隊を抑え切って今季2勝目を飾ってみせた。

「スタートはあまり良くなかったが、焦らないように努めた。ロッソをオーバーテイクし、そこから前に進むことができたね」と2022年チャンピオンでもあるペッツィーニ。

 一方、このレース2では息子ティアゴとのコンタクトで「ステアリングが曲がっている」と無線で訴えていた父リオネルは、最終的にピケJr.や元アトレティコ・マドリード所属でスペイン代表経験もある元サッカー選手の兄弟、マリアーノ・ペーニャ(ホンダYPFレーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)も従え、レイスに次ぐ5位で週末を終えた。

「このTCRシリーズは非常に難しいし、まずは優勝できてうれしいよ」と勝利直後に語っていたリオネル。「ファビアンは非常に速く競争力があった。でも今週末は多くのポジティブな成果を得られたね。まずはポイント獲得とチャンピオンシップでの差を広げること。これが最大の目標だった」

「しかし根本的には、マシンとこれまで使ってきたツールについて多くのことを学び、今後の作業の方向性を見定めることができた。この確信が、今後の週末の作業に大きな違いをもたらすはずだ」

 これでリオネルは、カルドゥソに44ポイント、レイスに75ポイントの差をつけチャンピオンシップをリードする展開に。続くTCRサウスアメリカの第4戦は“アルゼンチン・ツアー”の締め括りとして、5月30日〜6月1日までテルマス・デ・リオ・オンドで開催される。

[オートスポーツweb 2025年05月16日]

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