本誌読者の中には、スマホに加えてタブレットを持っている方も多いでしょう。タブレットはWi-Fiやスマホからのテザリングで通信できる他、SIMカードやeSIMを入れて単独で通信もできる機種もあります。SIMを入れておけば、外出先でもすぐに通信でき、スマホのバッテリー切れを心配する必要がありません。
そこで今回は、タブレットに入れて使うのにオススメのキャリアやプランを解説します。価格の安いMVNOだけでなく、スマホ回線の容量をシェアして使う方法もあります。(料金や価格は全て税込み)
●SIMカード/eSIMが入れられるタブレットもある
そもそも、タブレットには大きく2種類あります。Wi-Fiをつないで通信する機種と、Wi-Fiに加えてSIMカードやeSIMを入れて自力でも通信できる機種です。iPadの場合、前者は「Wi-Fiモデル」、後者を「Wi-Fi + Cellularモデル」と呼びます。
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自宅や職場などのWi-Fi環境下のみで使う場合はWi-Fiモデルでも十分です。また、外出先でもスマホからテザリングすればSIMカードが入っていなくても通信できます。ただし、毎回テザリングするのは少々面倒ですし、スマホのバッテリーを消費するため、使用頻度が多い場合はSIMを入れておき自力で通信するのがよいでしょう。
●日本通信にネットだけプランが登場
タブレットに最適なプランとして最近話題になったのが日本通信です。4月にデータ専用の「ネットだけプラン」を開始しました。月20GBのデータ容量が使えて月額1200円と安く、データ使用量が1GB以下の月は料金が自動的に119円になります。音声SIMの「合理的みんなのプラン」は月20GBで月額1390円なので、音声通話ができない代わりに料金が190円安くなります。
ただし、ネットだけプランがお得なパターンは限られます。
まず、ネットだけプランの容量追加は1200円/20GB単位です。音声SIMのように220円/1GBでの追加はできません。そのため、使う容量が20GBを少し超える場合は音声SIMで月20GB使える「合理的みんなのプラン」を契約し、1GB単位で追加した方がお得です。
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また、データ使用量が月40GBの場合、合計2400円になる「ネットだけプラン」より、50GBまで使えて月額2178円の合理的50GBプランを契約した方がお得になります。
さらに、データ使用量が少ない場合は合理的シンプル290プランの方がお得な場合もあります。データ使用量が5GBまでなら合理的シンプル290プラン(5GBで計1170円)、5GBを超える場合はネットだけプラン(20GBで1200円)がお得です。
●IIJmioもデータSIMがお得
IIJmioもデータSIMが安いです。特にドコモ回線のeSIMが選べる場合は、ギガプランのデータeSIMを検討しましょう。
IIJmioのデータeSIMは特に小容量帯が安く、2GBが月額440円、5GBが650円です。日本通信は2GBが510円、5GBが1170円なので、IIJmioの方が安いですね。逆に、IIJmioは月15GBで1430円、35GBで2240円なのに対し、日本通信は20GBで1200円、50GBで2178円なので、容量が大きい場合は日本通信を選んだ方がお得になる場合が多いです。
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●音声SIMの方がお得な場合も?
タブレットで音声通話をしなければ、契約時に選ぶSIMは基本的にはデータ専用SIMでよいでしょう。ただし、音声通話機能を使わない場合もあえて音声SIMを選んだ方がお得な場合もあります。音声SIMならキャンペーンによる割引や特典があるからです。
例えばIIJmioの場合、6月2日まで料金割引やデータ増量などのキャンペーンを実施中ですが、これはいずれも「音声SIM限定」です。他社もキャンペーンは「音声SIM限定」の場合がほとんどです。よって、キャンペーンによる特典を考慮すると、たとえ音声通話機能が不要でも、あえて音声SIMを契約した方がお得な場合もあります。特に使う期間が1年以内と短い場合は音声SIMの方がお得な場合が多いでしょう。
●大手キャリアなら容量シェアもお得
ドコモ/au/ソフトバンクを契約中なら、現在契約中のスマホ用の回線にタブレット用の子回線を追加し、親回線の容量を分け合う仕組みがあります。ドコモは「データプラス」、auは「タブレットシェアプラン 5G/4G」、ソフトバンクは「データシェアプラス」です。
ドコモの「データプラス」は、親回線が「eximo ポイ活」「eximo」「ahamo」の場合、子回線を追加して容量を分け合えます。追加できる回線数は1回線のみで、子回線は月30GBまでという容量制限があります。料金は月額1100円です。
auは「タブレットシェアプラン 5G/4G」という名称です。こちらも、スマホ用の料金プランに子回線を追加し、容量を分け合えます。追加できる回線数は1回線のみ。親回線の契約プランに応じて子回線には容量制限があり、現行の「使い放題MAX+ 5G」や「auマネ活プラン+ 5G」なら60GBまでです。料金は月額1100円です。
ソフトバンクの「データシェアプラス」では、親回線1回線につき最大5回線まで追加できます。料金は追加1回線あたり月額550円です。こちらも子回線のデータ使用量に制限があり、ペイトク無制限は50GBまで、メリハリ無制限はテザリングを含め50GBまでです。
また、Y!mobileにもシェアプランがあります。親回線の契約に対し、最大3枚のSIMカードを追加して容量を分け合えます。料金は月額539円で、筆者も以前はSIMを追加してタブレットに入れて使っていました。
先に解説した日本通信やIIJmioは昼や夕方に速度が遅くなるのがデメリットですが、これら4社のシェアプランなら親回線と同じ快適な速度で通信できます。ただし、ドコモやauは1回線追加するのに月1100円かかるので、タブレットで使う容量が少ない場合は日本通信やIIJmioを追加で契約した方がお得でしょう。
●他にタブレットで通信する方法は?
タブレットにオススメのキャリアやプランは他にもあります。
タブレットの使用頻度が少ない場合は、povo2.0も検討しましょう。基本料金無料のSIMをあらかじめ入れておき、使う時だけ容量を購入(トッピング)して使う方法です。特にデータ使い放題24時間(330円/回)やデータ使い放題6時間(250円/回)なら効率よく使えます。また、有効期間が365日のトッピングを購入して使いたいときだけ使い、容量がなくなったら追加するのもよいでしょう。
また、Amazonなどで販売されているプリペイドSIMも候補の1つです。以前はソフトバンク回線が人気で筆者もよく利用していましたが、最近では楽天モバイル回線を用いたプリペイドSIMも人気のようです。Amazonで検索したところ、月7GBが1年間使えて9680円(月換算で807円/7GB)のものや、360日間で20GB使えて2680円のものも見つかりました(価格は全て4月28日時点)。販売元がキャリアではないため、やや怪しさはあるものの、こういった買い切りのSIMも検討しましょう。
筆者はというと、最近は楽天グループの株主優待で配布されたSIMをタブレットに入れて使っています。月30GBのデータ容量が実質無料で使えて大変重宝しています。
以上、タブレットにオススメのキャリア/プランの解説でした。タブレットで通信する場合は、テザリング以外にも料金の安いMVNOのSIMを入れる方法や、SIMを追加してスマホ回線の容量をシェアするなどの方法があります。タブレットの使用頻度やスマホの契約プランに応じて最適な方法を見つけてください。
著者プロフィール
シムラボ
「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。
・Twitter(現X):@simlabo_jp
・サイト:https://www.simlabo.jp/
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