




ケンの「家族が犠牲になるのは仕方ない」の言葉に、張り詰めていた糸が切れてしまった気がしました。それから私たちはお互いに何も言えなくなってしまったのです。そんな親たちのぎこちなさに子どもたちも気づいていたようです。


子どもたちを見送ったあと、私は義母に電話をかけました。私は義両親への結婚挨拶のときに「ケンが背負っているものを、これからは夫婦で背負う」という決意を伝えました。そのとき義両親にかけられた言葉を思い出していたのです。


そもそもこの結婚自体が間違っていたのかもしれません。ケンを支えてあげたいとか、背負っている罪を半分背負うとか、そんなおこがましいことを言ってはじめた結婚生活でした。けれど他人の私がケンの罪を背負えるはずがなかったのです。だからこんなふうに、当事者が現れただけで簡単にボロボロになってしまったのでしょう。
このことを誰かに聞いてほしい、誰かに分かってほしい……。そんなときに頭に浮かんだのがかつての義両親の言葉だったのです。義母の声を聞いたとたん、私は涙が止まらなくなりました。
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原案・ママスタ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子