総務省は6月13日、岡山県吉備中央町と長野県須坂市について「ふるさと納税」対象団体の指定を取り消すと発表した。両自治体は、それぞれ返礼品調達費の上限超えと産地偽装が指摘されていた。
村上誠一郎総務大臣は同日の会見で「今回の事案は、ふるさと納税制度に対する信頼を損ないかねない由々しき事態であり、厳正なる対処を行った」とした。取り消しの告示は17日付で施行され、今後2年間は再指定を受けられない。
吉備中央町は返礼品のコシヒカリを調達する際、米の代金の他に「支援金」を支払っており、これを加えると返礼品の調達は寄附額の3割以下という基準を超えていた。
一方の須坂市は市内で生産されたはずの巨峰やシャインマスカットに、隣接する高山村産のものが混ざっており、地場産品の基準から外れていた。また肉の加工品とたれについても申請内容と実態が異なっていた。
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村上大臣によると、総務省は今回の事態を重くみて、各自治体に周知しつつ、返礼品について疑義が生じた場合には速やかに総務省に照会することを求めていくという。「ふるさと納税は公金を使用した公的な税制上の仕組みであり、インターネット通販であってはならないと考えている。総務省は各自治体に対し、改めて指定基準の順守を求めていく」。
●「苦渋の決断」と吉備中央町の山本町長
処分を受け、吉備中央町は山本雅則町長の名前で声明を発表。今回の問題は「町としての調達費用の解釈と総務省との解釈の考え方の相違に起因したもの」と釈明しつつも、「町としては苦渋の決断だが、受け入れざるを得ないと判断した」としている。
一方の須坂市の三木正夫市長も寄付者に謝罪し、「返礼品事業者の選定や管理体制の見直しと再発防止策を講じ、信頼回復に努めていく」とした。
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