「こんな終わり方ないよね」株主総会でトヨタ社長が語った、白鵬との出会いと“相撲協会との決別”

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2025年06月13日 17:20  週刊女性PRIME

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日本相撲協会を退職した元横綱・白鵬翔氏

「こんな終わり方ないよね」

 6月12日、愛知県豊田市のトヨタ自動車本店で開催された定時株主総会で、豊田章男会長は日本相撲協会を退職した元横綱・白鵬翔氏(40)への支援について語った。「白鵬翔氏が世界に相撲を広める新しい取り組みを始めるにあたって、支援する背景とトヨタグループへの影響」について聞かれた豊田会長は横綱時代の白鵬翔氏との出会いや友人としての付き合いが始まった経緯を語った─。

トヨタ株主総会で白鵬翔氏について語る

 6月9日付けで日本相撲協会を退職した白鵬翔氏、退職に伴って開かれた会見では、自身が親方を勤めていた宮城野部屋の再開の見通しが立たない状況、9人の弟子の引退、元横綱・照ノ富士との関係などを包み隠さず回答。さらに、今後の構想として、世界規模でのアマチュア相撲の発展と『SUMO』の五輪競技採用を目指す『グランドスラム構想』などの夢を明かしており、未練や後悔もなく次の活動に目が向いている様子だった。

 そんな大横綱の一連の退職経緯や今後の活動に、友人である豊田会長が支援するなどの報道も相まってトヨタの株主総会で質問が飛んだようだ。

「横綱白鵬時代、私が初めて会ったのは2010年の名古屋場所。(中略)次の年、東日本大震災があった。それまでの間、白鵬さんと私は一切お付き合いがなかったが、宮城野部屋におられるということで、トヨタの宮城県の工場が大変なことになってるということで、その工場に行って、全従業員と握手してくれた。それでどれだけその時従業員が勇気づけられたか。そこから我々の付き合いが始まったと思う

 と友人に至った経緯を語り、

「友人として、そしてお互いアスリートとして、本気でその道の勝負をかけているというところで、いろんな共通項があるし、モンゴル出身横綱として、他の人には分からない孤独、悔しさを抱えながら、自分のためではなく相撲界のため、ファンのためにということを絶えず考えている大横綱だったと思う。そんな中、『こんな終わり方ないよね』というのが私の正直な気持ち」

 白鵬翔氏の今後の活動についても「相撲を世界に広め、『こんなスポーツがあるんだよ』ということを白鵬さんと共にやっていく。トヨタの株主総会で決意表明するのはアレだが、ぜひとも応援いただきたい」と、相撲の発展に白鵬翔氏と連携していく意向を語った。

優勝力士が乗るセンチュリー

「豊田会長の支援表明は、企業トップの個人的な価値観と企業戦略が一致した好例ではないでしょうか。相撲という国技の世界展開は、トヨタのグローバル戦略とも親和性が高いです。

 もちろん友人関係ということもあると思いますが、企業が文化的価値の高いスポーツを支援することで、利益を超えた社会的な意義を生み出すことができると考えているのではないでしょうか」(スポーツ紙ライター)

 相撲の優勝パレードに使用される、トヨタ所有のセンチュリーのオープンカーにも言及した豊田会長。「トヨタの支援というとこういう形になるが、ちょっとそこは一回引き取らさせていただこうかと思っている」と語り、今後優勝パレード時に優勝力士が乗る車は変更といった形になるかもしれない。

 今回の豊田会長の発言により、トヨタグループとしての白鵬氏支援は既定路線となった。具体的な支援内容は今後明らかになるだろうが、相撲の世界普及という構想に向けて、多くの人が注目している。

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