東京地裁立川支部=東京都立川市 法政大多摩キャンパス(東京都町田市)で授業中に学生8人をハンマーで襲い、けがをさせたとして、傷害罪に問われた韓国籍のユ・ジュヒョン被告(23)の初公判が13日、東京地裁立川支部(中島経太裁判長)であった。ユ被告は「間違いないです」と起訴内容を認めた。
検察側は「無差別で悪質な犯行」として懲役3年を求刑。弁護側は執行猶予を求め、即日結審した。判決期日は27日。
検察側の冒頭陳述によると、ユ被告は2023年3月、留学のため来日し、同年4月に法政大社会学部に入学した。25年1月10日、別の教室から持ち出したハンマーを服の中に隠したまま授業を受けていたが、講義中に立ち上がり、学生らを次々とハンマーで襲った。
被告人質問でユ被告は「『臭い』とか『韓国に帰れ』などと言われ、いじめを受けていた。やめさせるには殴るしかないと思った」と述べた。
検察側は論告で、「8人が被告をいじめていた事実はなく、たまたま居合わせた学生を無差別に狙ったことは明らか」と非難。ユ被告は韓国で強迫性障害などの診断を受けており、弁護側は「必要なのは医療機関での治療だ」と訴えた。最終意見陳述でユ被告は「被害者には何の非もない。申し訳ない」と謝罪した。
起訴状によると、ユ被告は1月10日、当時19〜22歳の男女8人の頭や腕などをハンマーで殴り、けがをさせたとされる。