
大阪・関西万博へのアクセス路線として、大活躍している路線がOsaka Metro中央線です。今年から、中央線は「日本一」のスピードを誇る路線となりました。しかし、ほとんどの利用者は気づいていないと思います。なぜ、中央線が「日本一、最速の路線」といえるのでしょうか。
【写真】近鉄けいはんな線とOsaka Metro中央線は相互直通運転を行っている
今年1月に最高時速25kmもアップ
Osaka Metro中央線(夢洲〜長田)では、中央線夢洲延伸の8日前にあたる2025年1月11日にダイヤ改正を実施。大阪港〜コスモスクエア間の最高時速が、70kmから95kmに引き上げられました。最高時速の引き上げに伴い、大阪港駅からコスモスクエア駅までの所要時間は、3分15秒から2分40秒に。コスモスクエア駅から大阪港駅までは、3分0秒から2分30秒に短縮されました。
同様に、1月19日に開業したコスモスクエア〜夢洲間の最高時速も、95kmです。つまり、中央線の最高速度95km区間は、大阪港〜夢洲間となっています。
最高速度95km化により、中央線は第三軌条方式の路線において、国内最速となりました。第三軌条方式は車両上のパンタグラフを通じて、架線から集電する方式とは異なり、レール横にある「第三のレール」から集電します。「第三のレール」には電気が流れ、駅のプラットホームからも「第三のレール」の存在を確認できます。第三軌条方式の路線は主に地下鉄路線で見られ、Osaka Metro御堂筋線や谷町線、長堀鶴見緑地線なども第三軌条方式を採用しています。
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実は先んじて最高時速95kmにしたのはあの会社
中央線の最高速度引き上げは喜ばしいニュースですが、「いきなり25kmも引き上げて安全性は大丈夫なのか?」と心配する方がいるかもしれません。実は1月のダイヤ改正前から、中央線の電車は時速95kmで走行しています。
Osaka Metro中央線は、近鉄けいはんな線(長田〜学研奈良登美ヶ丘)と相互直通運転を実施しています。近鉄けいはんな線では、学研奈良登美ヶ丘駅への延伸を果たした2006年より、最高時速95kmで運行されています。
近鉄での最高時速の引き上げに際し、近鉄車だけでなく大阪市交通局(現Osaka Metro)の車両もブレーキ性能や集電性能の確認実験を実施しました。このような蓄積があったからこそ、中央線の最高時速の引き上げが実現した、と考えるのが自然でしょう。
確かに、大阪港駅から一気に速度が上がることを実感します。Osaka Metroの他路線でも最高時速95kmを採用し、高速で走り回る地下鉄網を見たいものです。
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