スーパー「ロピア」に立ち入り＝業者に従業員派遣要請か―公取委

　食品スーパー「ロピア」（川崎市）が納入業者に従業員を無償で派遣させていた疑いが強まったとして、公正取引委員会が独禁法違反（不公正な取引方法）の疑いで、同社本社などを立ち入り検査したことが１６日、関係者への取材で分かった。

　関係者によると、ロピアは遅くとも２０２２年以降、商品を納入する業者に対して従業員の派遣を要請し、新規開店や店舗改装の際に商品陳列や販売応援、商品補充を無償で行わせていた疑いがある。

　業者は他社の商品陳列をさせられるなど、自社商品の販売促進利益を上回る不利益を被っていたとされる。業者は取引の関係上、要請に応ぜざるを得なかったとみられ、ロピアの行為は独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」に該当する恐れがある。

　同社は２２年９月以降、全国に約５０店舗をオープン。今後も出店予定があり、急成長に伴い、納入業者にしわ寄せが及んだ可能性がある。

　ホームページなどによると、ロピアは低価格路線で首都圏など国内１９都道府県に１１８店舗、台湾に７店舗の計１２５店舗を展開。２４年２月期の売上高は約３２００億円に上る。