


「アンタの稼ぎが少ないから!」「なんだと? パートの分際で!」俺たちはイラ立ち、激しい言い争いになった。けれどアパートの壁が薄いから隣の住人は迷惑だったのだろう。「うるさい」とばかりに壁をドンッと叩かれてしまった。

「お前なんかいなくても、俺は1人でやっていける!」「は? やっていけるわけないでしょ。アンタなんて何もできないのに」「上等だ、出て行け!」そうしてチカが出て行くと、安アパートの狭い部屋は急に静かになった。

跡取りとして甘やかされて育った俺。両親との同居を解消するとあっという間に金がなくなった。弟のタケヒコには自分で何とかしろと見捨てられた。味方だと思っていたチカでさえ、俺のことを見限って出て行ってしまった。
そして俺は本当にひとりになった。呆然としながらこれまでの自分の生き方を振り返った。両親に甘え、チカに頼り、タケヒコをないがしろにしてきた。その結果が、今の孤独な状況だ。俺はこれからどうしたらいいんだろう。誰を頼ればいいんだろう……。
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原案・ママスタ 脚本・motte 作画・はなめがね 編集・井伊テレ子