
22日投開票の東京都議会議員選挙。最近の選挙では、SNSにも様々な情報があふれていますが、なかにはフェイクと呼ばれるうその情報も。どう見破れば良いのでしょうか?
【写真を見る】選挙前に要確認 “選挙フェイク”の見破り方 専門家「情報源の確認を」【シリーズ都議選2025】
今回の東京都議会議員選挙で、どこから情報を得て投票先を選ぶのか聞いてみると…
有権者
「YouTubeとかが多いかな」
「インターネット、SNSをよく見るので、その情報に流されながら判断します」
SNSをめぐっては、手軽に情報を得られる一方で、今年3月に行われた千葉県知事選挙では…
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千葉県 熊谷俊人 知事
「とうとう、そういう時代になったか、自分が標的になったか」
千葉県の熊谷俊人知事。県知事選挙で2回目の当選を果たしましたが、SNSで根も葉もないうその情報、フェイクが拡散されました。
最初に気づいたのは、告示の数日前だったといいます。
選挙前で多忙だった熊谷知事は、しばらく静観することに千葉県 熊谷俊人 知事
「(SNSの)Xである時から、『移民はやめてくれ』みたいな意見をいただくことが非常に増えてきた。『千葉県知事選挙』で調べていくと、私が『移民推進派』であるみたいなことを色々な政治系アカウントの方々がつぶやいていることが分かってきて」
選挙前で多忙だったという熊谷知事は、しばらく静観することにしましたが…
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千葉県 熊谷俊人 知事
「日に日にひどくなっていくから、これは放置できないなと」
熊谷知事は事実に反するとして、フェイクを流すアカウントに対して“法的措置をとる”などと警告。ほとんどの投稿は削除されましたが、拡散を完全に止めることはできなかったといいます。
千葉県 熊谷俊人 知事
「1日、2日経った時点でもう手遅れ。1時間とか、2時間以内に打ち込んで、消していかないと駄目な世界」
選挙におけるフェイクの拡散はSNS特有のものなのか?
実は100年以上前、1911年の東京府会議員選挙で、“候補者が急死した”という、うその情報を記したはがきが郵送された記録が残っています。その後も、「怪文書」という形で、選挙のたびに候補者をおとしめる目的などで拡散されてきました。
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拡散のツールがSNSに変わった今、フェイクを拡散する目的が変化していると専門家は指摘します。
法政大学社会学部 藤代裕之 教授
「本当でも、うそでも、何でも良くて、それを見た視聴回数によって広告収入が得られる。情報を歪めてしまう人のほうがPV、アクセスを稼げる。本当か分からない情報、そのほうが面白いですから」
総務省が行った調査でインターネット上のうその情報や誤った情報を見聞きした人に認識を尋ねたところ、半数近くが「正しい」「おそらく正しい」と回答。さらに、うその情報や誤った情報を見聞きした人のうち、4人に1人が情報を拡散していたことが分かりました。
選挙におけるSNSでのうその情報、有権者にできることは国会では選挙におけるSNSでのうその情報への対策を協議していますが、今、有権者にできることは何なのでしょうか。
法政大学社会学部 藤代裕之 教授
「『本当に公約に出しているんですか』『本当にそういうものを主張しているんですか』と確認せずに、伝聞で判断している人が結構いるんじゃないか。やはり情報源を確認して、その人の主張を確認することから始める、これがとても大事なこと」
熊谷知事も警鐘を鳴らします。
千葉県 熊谷俊人 知事
「おそらく、同じようなことがまた行われるでしょうから。候補者それぞれ(の発信)であったり、公的な機関であったり、発信にリスクを負っている人たちのほうがファクトに近いものが当然出るわけですから、それをより信頼してほしい。そうでなければ、選挙結果が簡単に左右される国になってしまう」
都議選の投開票まであと4日です。