全国の被爆者が集まり開かれた日本原水爆被害者団体協議会の定期総会=19日午後、東京都千代田区 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は19日、東京都千代田区で第70回定期総会を開いた。被爆80年の節目を迎えるに当たり、「今こそ証言を掘り起こして語り継ぎ、核兵器の非人道性を国内外に発信していく」と決議した。
全国の被爆者や被爆2世ら約100人が18日から2日間の日程で議論。被爆80年の運動として、核保有国の政策を変えるためにも証言に注力し、10月11日には、千代田区でリレートークや朗読劇などの集いを開くことを決めた。
総会決議は、日本が核兵器禁止条約を批准していないことに触れ、「核抑止論を変えさせ、廃絶しかないという世論をつくる」と強調。「原爆や空襲被害者にいまだ償いが行われておらず、国の受忍政策を変えさせる」とも示した。
役員選考もあり、木戸季市事務局長(85)が顧問、浜住治郎事務局次長(79)が事務局長に就任した。2017年から事務局長を務めた木戸さんは「今、世界のあらゆる場所で戦争が起こっている。被爆者の『再び被爆者をつくるな』という願いは、人類を守る運動だ」と語った。
昨年12月に受賞したノーベル平和賞の賞金約1億5300万円の一部は、日本被団協を構成する各都府県の団体の活動費に充てることが決まった。10月までに詳細を決めるという。

日本原水爆被害者団体協議会の定期総会で選出された木戸季市顧問(右から3人目)、浜住治郎事務局長(同2人目)ら=19日午後、東京都千代田区