米半導体大手エヌビディアのロゴ(AFP時事) 【シリコンバレー時事】マイクロソフト(MS)共同創業者ビル・ゲイツ氏らが設立した米原子力新興企業テラパワーは18日、6億5000万ドル(約940億円)の資金調達を完了したと発表した。ゲイツ氏に加え、生成AI(人工知能)向け半導体で注目が高まる米エヌビディア傘下の投資ファンド、エヌベンチャーズも出資した。
成長を遂げる生成AIは、データ処理のために膨大な電力を消費する。温室効果ガスの排出量を抑えられ環境負荷が低いとされる原発は、重要な電源と位置付けられており、グーグルやMSなど巨大IT企業も活用を進めている。
テラパワーは2006年、米西部ワシントン州で設立。ゲイツ氏が会長を務める。水ではなく液体金属のナトリウムを炉心の冷却に使いウラン資源の利用効率を上げる次世代原子炉を開発中。日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の合弁会社と共同で開発を進めている。
現在、西部ワイオミング州に発電能力が345メガワット(MW)の小型原発を建設中。26年に米規制当局から承認を得た上で、20年代中に原子炉施設を完成させる予定だ。
エヌベンチャーズのトップを務めるモハメド・シディーク氏は声明で「AIが産業を変革し続ける中で、原子力エネルギーは重要な電源となるだろう」と述べた。