加藤史帆「あらためて女優としてお芝居に向き合えた」　さまざまな場所で輝く日向坂46の同期たちに刺激も【『あやひろ2』インタビュー】

　昨年末に日向坂46を卒業し、俳優・モデルとして活躍の場を広げている加藤史帆（27）。加藤と森カンナがW主演するガールズラブコメディドラマ『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる 2nd Stage』が、26日深夜よりMBSドラマフィルほかで順次放送される。同作は、加藤がグループ在籍中にシーズン1が放送されSNSを中心に国内外で大きな話題となり、今作では日本のドラマでほぼ初めてとなるレズビアンカップルの「付き合ったその後の恋人生活」をリアルに描くガールズラブコメディだ。

【撮り下ろしカット】“彩香ちゃん”が降臨したあざとくキュートな加藤史帆

　本作で加藤は、森演じる“弘子先輩”が大好きな彩香ちゃんを演じているが、ソロで活動し始めた加藤にとって「あらためて女優としてお芝居に向き合えた」という、役とともに成長できた作品だと語る。同じように日向坂46を巣立ち、さまざまな場所で輝く一期生の同期たちに刺激を受けながら、個人として新しいステージへと踏み出した加藤の現在地と目標を聞いた。

■演技に正面から向き合う「チャンスの中で試行錯誤」

――約1年前に前作が放送されてから、さっそく2nd Stageが決定となりましたが、制作されると聞いた時の率直な感想を教えてください。

【加藤】めちゃくちゃうれしかったです。日向坂46に所属していた時に出会った作品で、キャストの皆さんやスタッフさんの温かさもあって、すごく楽しかったドラマ撮影だったので、「また集まれるんだ」って思って。本当に、応援してくださる『あやひろ』ファンの皆さんのおかげだなって思いました。

――2nd Stageでは、2人が付き合ったその後の恋人生活が描かれますが、台本を読んだ時の感想を教えてください。

【加藤】ずっと面白くて、台本を読むのが止まらなかったです。シーズン1の時もそうだったんですけど、シーズン2も怒涛の展開ですし、今回は監督が前半・後半で違っているので、全然違う印象になりそうだなって思います。ただ、全体を通してすごく当事者の方のリアルな悩みに寄り添っている内容になっていると思います。

――加藤さん演じる“彩香ちゃん”は、前作とどう変わっていますか？

【加藤】前作でもどんどん成長していった彩香ちゃんですが、今回はさらに成長します。2nd Stageは母性が出てきちゃうくらい、人間味あふれるキャラクターになっています。

――そんな彩香ちゃんを演じられて、加藤さん自身はどんな影響を受けましたか。

【加藤】もともと感情が表に出にくいとか、私との共通点は多いんですけど、彩香ちゃんはものすごいスピードで人として成長していったので、自分ももっと成長しないとなって感化されましたね。

――特にどんな部分を成長させたいと思ったのでしょう。

【加藤】お芝居をもっと成長させたいなって強く思いました。前回はアイドル活動も同時にやっていたので、もうとにかく必死の日々だったんですけど、今回はより深く考えられるようになったので、あらためて女優としてお芝居に向き合うことができて。今回は自分自身も彩香ちゃんとともに成長できた気がします。

――2nd Stageで演技の成長のために特に意識したポイントはありますか？

【加藤】前作では、映像で感情を伝えることの難しさをすごく実感したんです。自分の中ではその役の感情になっていても、それが映像で伝わらなければ意味がないんだなって。なので、2nd Stageでは“画面越しにどうやったら伝わるか”をすごく考えながら取り組んだのが違いだなと思います。

――前作から今作の間にも、演技のお仕事がたくさんありましたね。

【加藤】ありがたいことに『あざとくて何が悪いの？』や、去年の年末には『筋トレサラリーマン中山筋太郎』にも出演させていただいて。そういうチャンスの中で試行錯誤しながら取り組んできました。

――客観的に自分の演技を見て反省することも多い？

【加藤】そうですね。「これじゃダメなんだな」とか、日々反省の連続です。

■母になったメンバーも…日向坂46OG集結で実感「選択次第でいろんな人生の道がある」

――前作から今作までの間には、日向坂46の卒業という大きな節目もありました。卒業から半年、個人になったことを実感することも？

【加藤】楽屋で1人の時にすごく実感しますね。“寂しいな”って思う反面、「1人で頑張りたいな」って気持ちもすごくあります。

――そんな中、『6回目ひな誕祭』では、加藤さん含め一期生OGメンバーがほぼ全員集合されるサプライズもありました。あのステージを振り返ってみていかがでしたか。

【加藤】自分が卒業したのは年末なんですけど、キャプテン（佐々木久美）の卒業に立ち会えないのはちょっと悔やまれる部分ではあって。でもキャプテンから「出演してほしい」って連絡が来た時にめちゃくちゃうれしくて。同じステージに立てて、唯一のモヤモヤがなくなった感じがしました。

――久々にメンバーと会って懐かしさもありましたか？

【加藤】今ではお母さんになってるメンバーもいたりして、リハーサルの時間も取れなかったので、本番前に2時間みんなで集まってみっちり練習したんですけど、やっぱり「みんなでいる時間って楽しいな」ってあらためて思いました。ねるちゃん（長濱ねる）は一緒に活動していなかった期間も長かったので、すごく緊張してて、かわいいなって思って見てました（笑）。

――最後の一期生メンバーとなった高瀬愛奈さんの卒業セレモニーでは、加藤さんのソロ曲「嘆きのDelete」を披露されたことも話題になりましたね。

【加藤】本当にうれしかったです。『あやひろ』の撮影があってどうしても行けなかったので、「支えてくれてありがとね」って連絡したんですけど、本人から（ソロ曲を）やるってことは聞いてなくて…。ツンデレ女だから（笑）。でも、なんだかんだ私のこと好きでいてくれたのかな、嫌いだったら歌わないよなって思って、お互いいじりあっている仲だったけど、自分の曲を歌ってくれてハチャメチャにうれしかったです。

――ライブ後、連絡はなかったんですか？

【加藤】来てないです…あやつ（笑）。しれっと愛を伝えてくれたんですね（笑）。

――日向坂46の一期生も全員卒業され、それぞれの道で活躍の場を広げています。現役時代にシンメになることも多かった齊藤京子さんは先日、主演映画で「カンヌ国際映画祭」のレッドカーペットも歩かれました。そんな同期の活躍に刺激を受けることはありますか？

【加藤】すごく刺激を受けますね。みんな全然違う道に進んでいて、自分の選択次第でいろんな人生の道があるんだなって思います。それこそ京子の活躍を知った時も、「自分も頑張ろう」って自然と思えました。私も、ファッションやコスメの分野にももっと仕事の幅を広げたいなって思いますし、特にカラコンのプロデュースをやってみたいなって思っています。そして自分の活動が、みんなの刺激にもなれたらうれしいなって思います。