

プロポーズは嬉しかったし、穏やかなコウタロウと結婚できて私は幸せでした。やがてコウタロウの生活態度に対してちょっとした違和感を抱くようになったものの……。母や友人には「男なんてそんなもの」と言われます。


私は感情を抑え、怒らず優しく伝えてきました。けれどコウタロウは、そんな私のことすら面倒くさかったのでしょう。ヘラヘラと笑いながら、家事の放棄を宣言してきました。「ミサトの方が上手だし、もう全部ミサトがやってよ」

結婚をして一緒に暮らしはじめると、違和感のひとつやふたつは出てくるものだと覚悟していました。でもその都度お互いに話し合ったりカバーしあったりすれば、解決できるはずだと思っていたのです。コウタロウも結婚する前はそう言っていました。お互い苦手なことはカバーして、得意なことは伸ばそうと……。
けれどコウタロウは面倒ごとを人任せにするタイプ。褒めておだてて覚えてもらうのがバカバカしくなった私は、コウタロウに家事をしてもらおうと期待するのをやめました。
【第8話】へ続く。
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