iPhoneに「マイナンバーカード」を載っけてみた 実践して分かった注意点もチェック

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2025年06月24日 12:51  ITmedia Mobile

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iPhoneのマイナンバーカードの券面デザインはシンプルですが、端末を傾けると面白いギミックがあります

 デジタル庁は6月24日、iPhone向けの「個人番号カード(マイナンバーカード)」の搭載サービスを開始しました。iOS 18.5以降をインストールした「iPhone XS」「iPhone XR」以降の機種(第2/3世代の「iPhone SE」を含む)で利用できます。


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 早速、手持ちのiPhoneにマイナンバーカードを搭載してみましたが、いろいろ気を付けるべきポイントがあるので共有したいと思います。


●準備するものは2点 マイナポータルアプリも必須


 iPhoneでマイナンバーカードを使う場合は、以下のものを用意してください。


・「iPhone XS」「iPhone XR」以降のiPhone(第2/3世代の「iPhone SE」を含む)


・iOS 18.5以降をインストールする必要あり


マイナンバーカードの原本


 iPhoneにおけるマイナンバーカードは「マイナポータル」アプリを通して書き込みを行います。アプリを入れていない場合は、事前にインストールしておいてください。既にインストールしてある場合も、6月24日以降に公開されたバージョンに更新しないと書き込めないので注意してください。


 データを書き込む際は、マイナンバーカードに原本に設定した「券面事項入力補助用暗証番号」(数字4桁)と「署名用電子証明書用暗証番号」(英数字6〜16文字)も必要なので用意しておいてください。


 これらを忘れてしまった場合は、住民票登録をしている市町村/特別区の窓口で再設定可能です(※1)。もしも「利用者証明用パスワード」を覚えている場合は、署名用電子証明書用暗証番号であれば「JPKI暗証番号リセット」アプリで事前予約した上で、主要なコンビニエンスストアの情報端末/ATMで再設定を行えます。


(※1)市区町村によっては、マイナンバーカード原本以外の本人確認書類を要求する場合があります。窓口の場所や持参物については市区町村に確認してください


●「申請」は24時間受付だが「発行」に時間制限あり 生体認証は原則必須


 iPhoneにおけるマイナンバーカードの発行申請は24時間受け付けています。ただし、発行にまつわるシステムの都合で発行時間は毎日7時30分〜20時分までとなり、当日発行を希望する場合は19時30分までに申請を完了する必要があります。それを過ぎてしまった場合は、翌日の8時から順次発行されます。


 発行が終わるとウォレットアプリから通知が来ます。Androidスマートフォン向け電子証明書の場合、発行完了通知が来るとすぐに電子証明書を利用できますが、iPhone向けマイナンバーカードの場合は通知から約5分経過しないと電子証明書を利用できません。タイムラグがあるので注意してください。


 また、iPhoneのマイナンバーカードでは生体認証(Face ID/Touch ID)の利用が原則必須となります。特段の事情がない限り、事前に生体認証の利用設定を済ませてからセットアップを開始してください。


●発行の手順


 先述の通り、iPhoneのマイナンバーカードはマイナポータルアプリから書き込みを行います。6月24日以降のアプリでは、マイナンバーカードが書き込まれていない場合に追加を促す案内が大きく表示されます。この案内にある「追加を始める」をタップすると、手続きを開始できます。


 手続きの大まかな手順は以下の通りです。


1. 案内と注意点を読んだら「次へ」をタップ


2. 手元にマイナンバーカードの原本があることを確認して「次へ」をタップ


3. 手順を確認して「次へ」をタップ


4. 利用規約を確認して「同意して次へ」をタップ


5. 顔の撮影に関する注意を読んで「次へ」をタップ


6. 「撮影を始める」をタップ


7. 画面の指示に従って顔を撮影する(動きを要求されることもあり)


8. 撮影完了画面が出たら「次へ」をタップ


9. マイナンバーカードの券面事項入力補助用暗証番号を入力して「次へ」をタップ


10. マイナンバーカードの署名用電子証明書用暗証番号を入力して「次へ」をタップ


11. 「読み取り開始」をタップしてからiPhoneをマイナンバーカードに当てる


12. 読み取り終わったらiPhoneをカードから離して「次へ」をタップ


13. iPhoneのマイナンバーカード用の「利用者証明用暗証番号」を入力して「次へ」をタップ


15. 確認込みで2回繰り返す


18. iPhoneのマイナンバーカードの「署名用電子証明書用暗証番号」を入力して「次へ」をタップ


20. 確認込みで2回繰り返す


21. マイナンバーカードの原本と同じ暗証番号で構わない場合は、スイッチを入れて「次へ」をタップ(この場合は1回でOK)


24. 「Apple ウォレットに追加」をタップ


25. ウォレットアプリに遷移したら「続ける」をタップしてしばらく待つ


26. 身分証明書(マイナンバーカード)の使い方を確認したら「完了」をタップ


27. マイナポータルアプリに戻ったら「次へ」をタップ


28. 紛失時の案内を見たら「閉じる」をタップ


 先述の通り、iPhoneのマイナンバーカードは、利用準備が完了しても5分程度は電子証明書が利用できません。その旨はセットアップの終盤でも告知されます。


●iPhoneのマイナンバーカードの注意点


 iPhoneのマイナンバーカードを使う上で、注意点がいくつかあります。一部はセットアップの過程でも表示されますが、いくつか挙げておきます。


使えるのは「1人1台」のみ(Androidスマホを含む)


 iPhoneのマイナンバーカードとAndroidスマホのスマホ用電子証明書は、合わせて1人(1枚のマイナンバーカード)につき1台のみ利用できます。別の端末でマイナンバーカード/スマホ用電子証明書が発行された場合は、前に使っていた端末のカード/証明書データは失効処理されるので注意してください。


 なお、iPhoneのマイナンバーカードについては失効処理は行われるものの、削除処理は自分で行う必要があるので注意してください。


マイナ免許証には対応しない


 マイナンバーカードといえば、3月から運転免許証として使える「マイナ免許証」がありますが、iPhoneのマイナンバーカードはマイナ免許証として利用できません。


 マイナ免許証は、マイナンバーカードのICチップの「空き領域」にデータを書き込みます。iPhoneのマイナンバーカードはあくまでもマイナンバーカード“本来の”データと同等のものを保持するので、後から追加される体のマイナ免許証のデータまでは保持していません。マイナ免許証を受けている人が自動車などを運転する際は、マイナンバーカード原本か、運転免許証原本(併用の場合)を忘れずに携帯しましょう。


 もしもiPhoneに運転免許証のデータを格納するとしたら、マイナンバーカードとは“別に”格納することになると思われますが、現時点で時期のめどは立っていません。


マイナ保険証としての利用は9月から


 iPhoneのマイナンバーカードは、マイナンバーカード原本が持っている情報を持ち合わせています。そこで期待するのが健康保険証としての利用(いわゆる「マイナ保険証」)ですが、現時点ではiPhoneのマイナンバーカードをマイナ保険証として利用できません。


 現在、デジタル庁と厚生労働省ではマイナ保険証のスマホ対応に向けた準備を進めていて、7月から一部の医療機関で実証実験を実施した上で、9月から準備のできた医療機関から順次利用できるようになります。


●まとめ


 iPhoneにマイナンバーカードを搭載すると、一部のシーンを除いてマイナンバーカードの原本を持ち歩かなくても済むようになります。9月から順次、マイナ保険証としても利用できるようになれば、一層持ち歩かなくても済むシーンが増えるでしょう。生体認証を原則必須としていることもあり、ある意味では原本よりもセキュリティも高くなります。


 ただ、私自身はメインのスマホはAndroidで、マイナポータルも普段はAndroidスマホで使っています。早くAndroidにも券面情報を実装してほしいのですが、いつになるのでしょうか……?



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