宿泊先に荷物を送れるコインロッカー=6月30日、大阪市淀川区 駅のコインロッカーに荷物を入れておくと、配送業者がその日のうちに宿泊先のホテルに運んでくれるサービスが拡大している。大阪・関西万博でにぎわう大阪では、昨年にはJR西日本や大阪メトロなどがサービスを開始。東京でも、JR東日本や東京メトロなどが利用できる駅を増やしている。
スーツケースやキャリーバッグといった観光客の大きな荷物が電車やバスに持ち込まれ、トラブルが生じることもある。サービスの拡大によって、公共交通機関の混雑緩和が期待される。
利用するには、配送サービス専用のコインロッカーに入れる必要がある。料金は荷物のサイズや場所によって異なるが、1500〜3500円で送ることができる。
JR西日本は昨年3月、新大阪駅のほかユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の最寄り駅であるユニバーサルシティ駅(大阪市)などで開始。大阪市内では現在7駅で展開し、今年3〜5月の月平均取扱件数は、昨年4月〜今年2月の月平均の約3倍になるなど「インバウンド(訪日客)需要もあり盛況だ」(JR西広報)という。
専用のロッカーを製造・運営するSPACER(スペースアール、東京)は、万博開幕後の鉄道の混雑を想定し、鉄道会社などと連携して大阪での事業を始めたという。同社の徳永大輔社長は「徐々に浸透してきた」と手応えを語る。大阪メトロなどもスペースアールと組んで、昨年12月からサービスを提供している。
東京では、東京メトロも今年5月に押上駅でサービスを手掛けたのをはじめ、沿線の約20駅に導入する予定だ。
JR東日本の子会社、JR東日本スマートロジスティクス(東京)は昨年9月に参入した。現在は東京、新宿など東京都内の15駅に専用のロッカーを展開したほか、今年4月には京阪電気鉄道の4駅、6月にはJR東海などと京都駅にも設置。広報担当者は「今は認知度を上げる段階だが、少しずつ取り扱いが増えている」と話している。

宿泊先に荷物を送れるコインロッカーのタッチパネル=6月30日、大阪市淀川区