
羽田空港から横浜方面に向かう高速道路に乗ると、海岸沿いに工業地帯が見えることをご存知でしょうか?
なんとその工業地帯の夜景を見ながらフレンチのフルコースを堪能できる「東京レストランバス」が運行されているとのことで、ご招待いただき体験してきました。
景色も食事も、終始ワクワクしっぱなしだった「食」と「観光」を1度に楽しめるバスツアーの魅力をた〜っぷりご紹介いたします!
【まずは東京駅からスタート!】
東京レストランバスは「街全体がレストラン」をコンセプトに、2階建てバスで景色を楽しみながらコース料理を味わう非日常体験を提供するバスツアー。運行は夜行バスに乗ったことがある人ならピンとくるであろう「WILLER EXPRESS」です。
今回私が体験したのは、東京駅発→川崎駅着の「フレンチとお酒と 川崎工場夜景を楽しむ夜」コース。工業地帯の風景を見るとにわかにテンションが上がるタイプなので迷わずこちらをチョイスしました。
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ちなみに日中に浅草やスカイツリーをめぐるプランや夜の表参道〜銀座をめぐるプランなど、オーソドックスに東京観光を楽しめるプランもさまざま用意されていますよ。
レストランバスのスタートは東京駅前、丸の内ビルディングの正面から。可愛いピンクの2階建てバスに乗って、いざ出発〜!
【見える景色がひと味違う!】
まずはドリンクで乾杯。オードブルもおいしそう〜♡
高速道路に乗るまで都内を走行します。途中、オープンルーフを開けていただいたのですがまさかの手動! もともと屋根は透明ですが、開くと外の空気を直に感じられてさらに開放感マシマシです。
麻布台ヒルズや増上寺の横を通り抜け、東京タワーを下から見上げて都心の景色を楽しんだあとは、屋根を閉じて高速道路へ。ゆっくりと暮れていく空を見ながら一路、川崎を目指します。
乗車しているバスは一般的な観光バスに比べるとかなり車高があり、今まで見たことない目線で見る風景が楽しい! 高速道路からもかなり向こうまで見渡せました。
【お待ちかねの工場夜景!下車して撮影もOK】
バスはいよいよ川崎市の工場夜景エリアへ。「ホワイト・キャッスル」「双子の貴婦人」などの愛称で呼ばれているプラントをガイドさんが次々と紹介してくれます。
このガイドさんの知識量がもんのすごい! どの会社のどんな工場なのか、歴史や環境への配慮などぜーんぶ解説してくれるんです。たとえば、煙突から炎が上がっているのは工場で発生する余分なガスを燃焼させて無害化する仕組みで「フレアスタック」と呼ばれるそう。
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心は遠足に来た小学生。ガチで大人の社会科見学です。お話聞いてるのがすごく楽しかった◎
絶景ポイントでは下車して撮影も可能で、施設にカメラを向けたり、ガイドさんに写真を撮ってもらったりと、この日同じバスに乗っていた一般のお客さまたちも大はしゃぎ。
ちなみに工場夜景を撮影したとき、もとは白い光なのに写真だと緑になるのは「水銀灯」を使っているからなんですって。水銀は徐々にLEDへと移行している最中だそうで、この緑色に輝く夜景もいずれ見納めになりそうです。
個人的には、要所要所に踏切や線路があるのもよかったー! やや鉄子さん気味なので、工場と線路の共演にグッと来ました。こんな景色、自力では絶対に見に来ることができなかったので、写真を見返して改めてこのコースを選んで良かった!と思っています。
※立ち入りが許可されているエリアで撮影しています
【お食事の満足度もハンパない】
風景の話ばかりになってしまったのでお食事の話をここで。満足度はかなり高かったです!
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高速道路に乗る際はシートベルトの着用が義務づけられているので食事やドリンクの提供はいったんストップされるのですが、そのおかげもあってか流れに余裕があり、ゆっくり味わいながらデザートまで楽しんでお腹いっぱいになるという絶妙な構成。
お食事はバスの1階で調理されているのですが、前菜はそれぞれ味の違いが楽しめましたし、肉厚なのにやわらかいローストビーフも「これ本当にバスのキッチンで調理してるの?」と驚く美味しさでした。
銀座おのでら監修のクレームブリュレにマンゴーケーキもデザートにちょうどいいサイズ。
提供されるタイミングもサーブする方のホスピタリティも文句なしです。バスの揺れをものともせずスマートに食事を運んでくださるだけでなく、適宜お手ふきの交換やドリンクのおかわりを気にしてくれるスタッフさん、プロすぎました。
ちなみにテーブルにはすべり止めのマットが敷かれているほか、グラスも専用のホルダーがあるので倒れない工夫がされています。
【帰りの景色はなぜかセンチメンタル】
食事と夜景を堪能したら、再び高速道路に乗って川崎駅へ。最後はバスの灯りを落とし、間近で見てきた工場地帯の夜景全体を臨むクライマックスなのですが……これがなんともいえず、センチメンタルで。
光り輝く工場地帯とフレアスタック、一面の太陽光発電装置、川にかかる橋、羽田空港、遠くに見える東京タワー。文明の象徴だな、と思うのと同時に、この光がいつか全部消えてしまう日が来るんだろうか?と、なぜかなんともいえない切ない気持ちに。
本当に綺麗で、不思議で、得難い約3時間半の体験でした。
【まさに非日常!ソロ活にも記念日にも】
「フレンチとお酒と 川崎工場夜景を楽しむ夜」は2名様プランがおひとりにつき13800円〜。1名プランや記念日プランなどもありますので、くわしくは公式サイトからご確認くださいね。
バスで食事って酔わないかな?という心配もありましたが、いざ乗っている間はまったく気になりませんでした。途中でルーフトップを開けたり、下車したりという時間があったのも良かったのかも。お手洗いもバス内にあるので安心。
食事も風景も心ゆくまで楽しみながら非日常感を味わえる東京レストランバス。ちょっと特別な体験をしたい日に、ぜひ!
※2025年6月時点の情報です。最新情報は参考リンクより公式サイトをご確認ください。
参考リンク:東京レストランバス
執筆・撮影:森本マリ
Photo:(c)Pouch