
フランチェスカ・ベレッティーニ
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ケリング(Kering)がフランス時間9月18日付で、「グッチ(GUCCI)」の新たな社長兼最高経営責任者(CEO)に、ケリングでブランド開発を担うデピュティCEOを務めるフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)を任命したと発表した。ケリングの新たなCEOであるルカ・デ・メオ(Luca de Meo)の直属としてブランドの経営を率いる。1日1日付で副CEOから昇進した前CEOのステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)による経営体制はわずか9ヶ月で終えることとなった。
フランチェスカ・ベレッティーニは投資銀行家としてロンドンでキャリアをスタート。プラダグループのビジネス・プランニング&デベロップメント部門で働き、その後「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」のオペレーションマネージャーを務めた。2003年にケリングに入社。グッチの戦略計画ディレクターおよびグローバルマーチャンダイジング担当アソシエイトディレクターを担当した後、2008年に「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」に加わり、2010年にはグローバルマーチャンダイジング・コミュニケーションディレクターに着任した。2013年に「サンローラン(SAINT LAURENT)」の社長兼CEOに就任。2023年9月からはブランド開発を担うデピュティCEOを務めている。
グッチはケリングの主力事業でありながら業績が低迷しており、立て直しが急務となっている。前クリエイティブディレクターのサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)はわずか4シーズンで同職を退任。これから始動する新生グッチではデムナ(Demna)が新たなアーティスティックディレクターとしてクリエイションを担う。
今回のグッチのトップ交代は、ルカ・デ・メオのケリングCEO就任も影響していると見られる。ベレッティーニは社長兼CEO就任に際し、「世界で最も象徴的なラグジュアリーハウスの一つであるグッチの直接責任を担うことは真に光栄です。ルカ・デ・メオのリーダーシップのもとで働けることを楽しみにしています。彼の革新的で新鮮な視点は、私たちに境界を押し広げるよう刺激を与えてくれます。グッチチーム全体とともに、そして常に創造性を尊敬してきたデムナと共に、この新たな挑戦に取り組むことをとても楽しみにしています」とコメントした。
新体制の一環として、ケリングの副CEOの職務は廃止。オペレーションと財務を担当するデピュティCEOを務めてきたジャン=マルク・デュプレ(Jean-Marc Duplaix)は引き続きケリングのグループ最高執行責任者(COO)としてルカ・デ・メオをサポートしていくという。