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「古い自民党のままだと国民に見られるようであっては、党の明日はない。真の意味で解党的な出直しを成し遂げなければならない」
石破茂首相(68)が退陣表明に伴う会見でこう述べてから1カ月。10月7日、高市早苗新総裁(64)は党執行部の人事を正式決定したが、SNSでは“解党的出直し”からは程遠い顔ぶれだと疑問の声が上がっている。
高市氏は、運営の要である「党四役」として、幹事長に鈴木俊一氏(72)、選対委員長に古屋圭司氏(72)、総務会長に有村治子氏(55)、政調会長に小林鷹之氏(50)と決定。なお、麻生太郎氏(85)が副総裁に就任する。
麻生氏は党内で唯一存続する派閥「麻生派」のボスであり、麻生氏の義弟でもある鈴木氏、有村氏は同派閥に属する議員だ。「麻生カラー」が濃い要職の顔ぶれに、立憲民主党・野田佳彦代表(68)は報道陣にこう漏らした。
「派閥解消していない人が副総裁になり、その義理の弟さんが幹事長になり、そのグループの人が総務会長になり、露骨じゃありませんか」
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Xでも同様に、以下のような疑問の声が上がっている。
《派閥に先祖返りでマジでドン引き》
《高市総裁になって解党的出直しではなく、派閥による人事という原点回帰しましたね》
《原点回帰、解党的出直し、総力結集とは、解党してでも勝ち組の総力による派閥支配を復活させるということだったのか》
さらに、こうした批判に拍車をかけるのが、幹事長代行に起用された“裏金議員”の存在だ。自民党党則で、幹事長代理の役割を「幹事長代行、幹事長代理は、幹事長の旨を受けて、その職務を代行する」と説明している通り、四役ではないものの重要なポストといえる。
そんな幹事長代理に選ばれたのが、萩生田光一氏(62)。旧安倍派議員の政治資金収支報告書の不記載問題(裏金問題)をめぐって、萩生田氏は’18〜22年の期間に2728万円の不記載があり、’24年4月に党役職停止1年の処分を受け、同年の衆院選では党の公認を受けられず、無所属で出馬していた。
派閥色の濃い党役員の顔ぶれに、政治不信を招いた一因ともいえる“裏金議員”の重要ポストが復帰。石破首相が掲げた解党的出直しという課題は、はたして解決できたと言えるのだろうか。
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「高市氏は、総裁選一回目の投票で議員票が小泉進次郎氏(80票)、林芳正氏(72票)に次ぐ3位(64票)という結果にも表れている通り、党内基盤が強いとは言えません。総裁選では麻生氏の支援を受けたわけですが、そんな派閥の力を執行部に置くことで、基盤を強固にしたい思惑があるのかもしれません。ただ、結果的に派閥に頼らざるを得ないという状況では、やはり旧態依然とした自民党のイメージが付いて回ることになるでしょうね。
裏金問題に関しては、高市氏に限らず、総裁選の期間、他候補者の小泉氏、林氏、小林氏、茂木敏充氏も関与した議員の起用を否定していませんでした。そもそも、衆参の選挙で惨敗を喫した理由に“政治とカネ”の問題があったはずなのに、総裁選ではほとんど争点になりませんでしたよね。“解党的出直し”とは、こうした問題に決着をつけることではないのでしょうか」(政治部記者)
高市氏が新総裁に就任したことにより、10月15日の召集で調整されている臨時国会で、憲政史上初の「女性首相」が誕生する可能性が大いにある。歴史的快挙とはいえど、“煮え切らない”スタートになりそうだ。
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