J-POPの海外進出 グローバル市場でさらに人気を獲得するために必要なこととは? アメリカZ世代が考察

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2025年02月07日 20:10  TOKYO FM +

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J-POPの海外進出 グローバル市場でさらに人気を獲得するために必要なこととは? アメリカZ世代が考察
ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40〜18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。

2月5日(水)のテーマは「2025年はJ-POPがブームになる?(パート2):日本のアーティストがアメリカでブレイクする方法とは?」。「NY Future Lab」に所属するアメリカZ世代が、アメリカで流行している日本の音楽について意見交換しました。


※写真はイメージです



◆J-POPに先駆けてK-POPがヒットした理由は?

現地時間2025年2月2日に開催された、第67回グラミー賞授賞式。「NY Future Lab」ではグラミー賞の季節にちなんで、複数回にわたって“日本の音楽”をテーマにした内容をお届けしています。

グラミー・ドットコムの今年の音楽トレンドを予測する記事のなかに、「2025年はJ-POPのブームが来る」という予測がありました。そこで前回の放送では、日本の音楽の人気度、実際に人気のアーティストや、売れている最大の理由はアニメにあるという話をしました。しかしラボのメンバーに聞いてみると、「J-POPはいずれアメリカでもブレイクすると思うけど、今年ではないのでは?」という意見が。なぜメンバーたちはそう思うのでしょうか。

アメリカでのJ-POPの立ち位置について考えるとき、必ず比較されるのはK-POP。なぜK-POPは日本に先駆けて世界的な人気を得たのか、ラボのメンバーはこう考えます。

ヒカル:J-POPはマーケティングが弱いんだよ。日本人もよく言っているけど、K-POPは世界に向けたマーケティングをガンガンやっているんだ。J-POPとK-POPのマーケティングの違いは、K-POPは最初から外に出ていかなければならなかったということにある。韓国は人口が日本の半分で、マーケットも日本の半分では、ビジネス自体を維持できないから。

一方で日本には十分な市場があって、お金を落としてくれる人も十分いて、産業自体も日本国内ですでに確立されていたから、わざわざ国外に出る必要はなかったんだ。でも今はもうそうではないよね。グローバル化が進み、日本のアーティストも国外に出なければならなくなったんだ。

ノエ:ただアメリカにおける日本の音楽のリスナーは、まだアニメを観ている人に限られていると思う。アメリカ人の全員がアニメを観ているわけではないからね。今後、アニメ人気がどれだけ高まってくるかにもよるよね。そうなれば、いずれはK-POPと同じくらいビッグになる可能性があるってことじゃないかな。

シェリー:では、日本の音楽の最大の魅力は何だと思う?

ノエ:コード進行に関係があると思うよ。例えば多くのアニメの音楽は、特定の独特なコードにしたがっている。いわゆる王道進行っていうやつだよ。サウンド的にも希望に満ちていて、エネルギッシュな雰囲気を持っているのが魅力なんじゃないかな。

これまではグローバルマーケティングが必要なかった日本の音楽は、ますます上昇するアニメ人気と共に、いずれはアメリカでもブレイクする。それだけの魅力は十分にある……というのが、彼らの意見でした。


(左から)ミクア、シェリー、ヒカル、ノエ、シャンシャン、メアリー/©NY-Future-Lab



◆アメリカZ世代も注目の日本人グループ・XG

ではアメリカでブレイクするには、具体的にはどのような方法を取ればいいのでしょうか? これについても、ラボのメンバーに聞いてみました。

メアリー:すごく無知に聞こえるかもしれないけど、例えば、SNSに投稿するとき、日本語だけじゃなく、英語で投稿するだけでもずいぶん違うと思うよ。あとは日本語じゃない曲を作るとか。媚びているように聞こえるかもしれないけど。それと、ダンスをもっと取り入れるとか。TikTokが始まって以来、みんなダンスが大好きだからね。

シェリー:英語で歌うというのは、日本のアーティストにとってまだハードルが高いんじゃないの?

メアリー:バランスを取るのが大事だと思うな。というのも、全部英語の歌詞にして、日本的なものを全部取り除いてしまうと、「これは日本の音楽なんだ」というニュアンスをなくしてしまうような気がするから。オリエンタルなイメージとか、おしゃれな感じがなくなるっていうか。そのへんが難しいかもね。

ノエ:でもXGはとても上手に英語で歌うよね。ところが誰一人、本当に英語を話せる人はいないんだって。インタビューで話しているのは、アメリカンスクールに通っていたメンバー1人だけだった。

メアリー:ああ、MAYAのことね。

ノエ:彼らが歌うときの英語のアクセントは本当に素晴らしいよね。おそらく誰かが発音の仕方をトレーニングしてくれているおかげじゃないかな。ヒップホップっぽい、すごくかっこいい発音なんだ。

彼らは世界的なステージでもすごい人気だよ。言葉のせいかマーケティングのせいかわからないけど、世界中のオーディエンスにすごくアピールできていると思う。彼らはツアーでも大成功を収めたし、コーチェラにも招待されたって、すごいことだよね。

YOASOBIは日本語で歌っているけど、英語バージョンも作っているよね。彼らもコーチェラのステージに立ったよね。

メアリー:コーチェラって招待されないと出られないんでしょう? だからハードルが高いよね。アメリカで売りたい人たちにとって、コーチェラほどのステージに立つのはまだ難しいんじゃないかな。

韓国を拠点に活動している日本人7人組ガールズグループのXG。グラミーの記事では彼女らが最注目のアーティストとして書かれていましたが、やはりここでもその話題が出ました。

アメリカ人からはK-POPグループのように思われている微妙な側面もありながら、J-POPでもK-POPでもない「X-POP」を標榜して活動しており、その人気ぶりはアメリカのZ世代も認めるほどです。

ヒップホップ的な英語をクールに歌いこなす姿が人気ですが、メアリーの言うように「すべての歌詞を英語にしてしまったら、日本らしさのニュアンスが消えてしまうのでは?」という指摘もごもっとも。「そのあたりのバランスが難しいところですね」と、シェリーはコメントしました。

そしてアメリカの若者にとってブレイクの指針は、もはやグラミー賞ではなく、毎年4月におこなわれる大型音楽イベント「コーチェラ」に出演できるかどうか。今年のヘッドラインにはLady Gaga、Green Day、Post Malone、Travis Scottといったスーパースターの名前がずらり。そのなかで日本からは唯一、XGが参加します。

過去のコーチェラには日本からYOASOBIやATARASHII GAKKO!(新しい学校のリーダーズの海外名義)、初音ミク、X JAPAN, きゃりーぱみゅぱみゅらが出演しています。シェリーは「今年、XGのステージにどのような反響があるのか楽しみですね」と語り、話題を締めくくりました。

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2月5日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年2月13日(木) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:NY Future Lab
放送日時:毎週水曜日18:40〜18:55放送
出演:シェリーめぐみ
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/nyfutureweb
特設サイト:https://ny-future-lab.com/
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