閣議に臨む石破茂首相=14日、首相官邸 2025年度予算案の今年度内成立を見据え、与野党による修正協議が本格化してきた。少数与党が予算案を成立させるには修正が不可避。野党各党が掲げる看板政策だけでなく、必要な財源へのスタンスにも注目が集まる。立憲民主、日本維新の会、国民民主各党からは、財源論の要否も含め対応の違いが浮かび上がる。
最も財源論に力を入れるのは立民だ。「きちっと財源を確保し、政策を実現するパッケージとしてまとめた」。野田佳彦代表は14日の記者会見で、この日公表した3.8兆円規模の修正案の意義を強調した。
財政健全化を重視する野田氏は会見で、新規支出や減税の際には財源確保策をセットとする「ペイアズユーゴー原則」に繰り返し触れ、修正案は「それを踏まえ対応した」と説明。政府基金や予備費の見直しなどにより、3.8兆円を賄う方針を打ち出した。ただ経済官庁幹部からは「とても数兆円も工面できるとは思えない」との声も漏れる。
高校授業料の無償化を巡り、自民、公明両党とつばぜり合いを演じる維新は、6000億円と見積もる必要経費について行財政改革や特別会計の活用で捻出すると説明する。吉村洋文代表(大阪府知事)は「予算の優先順位を組み替えれば十分満たせる」と自信を見せる。
与党が25年度からの実施方針を示した公立高校実質無償化に限れば、財源規模はより限定される。進行中の自公維3党協議では、26年度からの私立高校支援金増額や社会保障改革に論点が広がり、「財源は大きな議論になっていない」(維新幹部)という。
「年収の壁」見直しで昨年から与野党協議を続ける国民民主は、財源論で立・維と一線を画し、近年の税収増を「国民に還元」すべきだとの立場だ。榛葉賀津也幹事長は14日の記者会見で、「頑張れば景気の好循環がやってくる。財源がないからやらないということが通るのか」と強調。所得税の課税最低ラインの引き上げを重ねて主張し、「積極財政」による手取り増を訴えた。
![2025年度予算案に対する修正案を公表した立憲民主党の野田佳彦代表=14日、国会内](https://news-image.mixi.net/article/4/4_2025021401229_20250214at81S_p.jpg)
2025年度予算案に対する修正案を公表した立憲民主党の野田佳彦代表=14日、国会内