「原則着衣」呼び掛け後もトラブル=学校健診で「下半身見られた」―文科省通知1年

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2025年03月15日 14:01  時事通信社

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 小学校などで毎年度行われる健康診断について、文部科学省が各都道府県の教育委員会に「原則着衣」で実施するよう通知してから1年余りが過ぎた。だが、通知はあくまで「呼び掛け」にとどまり、現場ではトラブルも起きている。文科省は健診方法などを保護者に事前に十分説明するよう求めている。

 文科省は昨年1月22日付の通知で、健康診断の際は「原則、体操服や下着などを着用する」ことを求めた。児童らのプライバシーや心情に配慮するためで、「男女別に診察する」「養護教諭を除き原則児童らと同性の教職員が立ち会う」ことなども盛り込んだ。

 群馬県教委によると、同県みなかみ町の公立小で同6月、男性校医が男女約100人の健診を行った際、複数の保護者から「子どもが下半身を見られた」などの相談が町教委に寄せられた。

 町教委は数日後、校医同席での保護者会を開催し、町教委は「児童への配慮に欠けた行為があった」と謝罪した。校医は「体の成長を確認するためだった」と釈明したが、町教委は長年務めていた校医を来年度から別の医師に変更する予定だ。

 文科省などによると、学校医は自治体が委嘱し、問題がない限り、長年担当することもある。20年以上務める柴田小児科医院(東京都台東区)の柴田雄介院長(68)は同町のトラブルを「まれな事案」とした上で、「健診項目に性器の発育は入っていない。自分のルールで長年診察していた可能性はある」と指摘する。

 一方、医療専門サイト「m3.com」が同6月に行った調査では、開業医や勤務医計1970人の8割超が「学校医をやりたくない」と答えた。「保護者が必要以上に子どもの体を見せたがらないのでやりづらい」などの回答が目立った。

 文科省によると、児童らの健康診断は、脊柱の異常や皮膚疾患などの早期発見に重要という。同省の担当者は「学校側も事前に保護者に健診内容や方法を説明し、理解を得る必要がある」と話している。 

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