ヤクザの男をフッ飛ばし、人生で計5回の指詰め。伝説のストリッパーの娘が明かす“実の母”の異常な豪快さ

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2026年06月07日 16:30  日刊SPA!

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有賀美雪さん
有賀美雪さんは、まさに昭和ストリップの生き字引。世界初の獣姦ショーで注目された浜みゆきさんと親子2代ストリッパーという血統だ。インタビュー前編に引き続き、昭和のハチャメチャな時代の舞台裏に迫った。
◆とにかく物騒な家庭環境で育つ

――有賀さんのご両親は、どのような方だったのでしょうか。

有賀美雪:簡単にいえばヤクザですよね。夫婦揃って同じ刺青を背中に入れているんですよ。離縁はしたけど、根底で通じ合っていたのではないかと思う部分もある2人なんですよね。父は山口組に所属するヤクザでしたが、私が16歳くらいのとき、咽頭がんで亡くなりました。

――なぜ離縁をしたのでしょう。

有賀美雪:私、言葉を覚えるのが早かったんですよ。これは記憶にないんですが、1歳くらいのとき、私が母に「女の人にお風呂入ってぶくぶくさせられた」と言ったらしくて。それで浮気が発覚して、出刃包丁を持って母が父を追いかけ回したらしいです。

――その後、お母様は別の男性と交際をする。

有賀美雪:私が18歳くらいのときです。だから、実父が亡くなったあと。義父も顔立ちが整っていて、とある組の組長のボディガードをしていたようですね。伝説の“人斬り”として知られたヤクザですね。デリンジャーというチャカ(銃)をいつも持ち歩いててね。

◆指詰めにまつわる逸話に事欠かない

――女ヤクザとして生き、ストリップの世界で名を上げたお母様は、有賀さんからみてどのような女性でしたか。

有賀美雪:母は4年前に他界したのですが、彼女は本当に思い切りがよく、豪快だったと感じます。覚えているのは、4〜5歳のときに新丸子の劇場にいたときのエピソードです。当時、ヤクザなのかヤクザ崩れなのかわかりませんけれども、複数の男がやってきたんです。「誰のシマでやってるんだ」と、ドラマでみるようなセリフそのままを言って。すると母はいきなり自分の小指を切り落とし、「これでどうだ」と。結局、向こうの男たちも指を落とすことになって、いくらかの解決金をもらったようでした。

――怖すぎます。

有賀美雪:うちの母は、指を詰めたり詰めさせるのが好きだったんですよ。ごちゃごちゃ言ってないで、行動で示すタイプだったというか。他にも、私が6歳くらいのとき、姫路の劇場での出来事もありました。当時、自分たちが抱えていたキャストを勝手に連れ出した竹中組のヤクザがいたんです。「俺がステーキを奢ってやったんだ」なんて母に自慢したりしていて。母からすれば自分のタレントに勝手なことをされているので、落とし前をどうつけるかという話になるわけですよ。結局、「竹中(組長)が詰めるのか、若いやつが詰めるのか、どっちなんだ」となって、若い衆が指とお金を持ってきたようです。

――指詰めが好き……。

有賀美雪:母は両手の小指が第2関節からなくて、どっちかの薬指の第1関節からもなかったはずです。関節ごとに詰めるので、人生で計5回詰めていることになりますよね。

――当たり前だけど、ヤクザとの結びつきが密接な世界なんですね。

有賀美雪:九州地方の劇場にいたころは、大人たちが夜に「麻雀やろう」なんて話になってね。「そうだ、あいつも呼ぼう」とかいってヤクザを呼ぶんですよ。ヤクザが来たら「劇場でネタ食ったら(薬物をやったら)承知しねぇぞ」なんて釘刺して。ヤクザはちょんぼをするんですが、母は黙って負けっぱなしにしておくわけですよ。で、最後に牌を投げて「貴様こら、ズルしやがったな」と怒鳴り散らしてヤクザをふっ飛ばしてました。

◆「ドバイのヤギ案件」については…

――ところで獣姦ショーというのは、どうやってやるのでしょうか。まさか本当に挿入してないですよね。

有賀美雪:入れてないですよ(笑)。でも、母がやると、挿入があったようにみえるから不思議です。妖艶さがあるというか、やはり1つの芸として成立しているんですよね。チンパンジーの獣姦ショーのときは、果物の破片を膣内に仕込んでおいて、それを取り出そうとする姿が前戯に見えるんですね。「なるほど、よく考えるなぁ」と我が母ながら思いましたね。

――すごい発想です。ドバイのヤギ案件などは、元祖ともいえる血筋の有賀さんはどう思うんですか。

有賀美雪:実はドバイ案件について初めて知ったのですが、まぁ自己責任でいいのではないですか。ただ、どんな病気になるかもわかりませんから、安易にやるべきではないと思います。 母の弟で私の叔父の菊丸は、黒黒ショーで名を馳せた人間なのです。舞台上で男女が絡むのを白黒ショーといい、黒黒ショーは男同士の絡みです。その叔父が演出したなかに、ヤギと人間というのがありましたね。ヤクザ者の若い衆が舞台にあげられて、ヤギと交わっていました。バカですね(笑)。

――やはり儲かるんですか。

有賀美雪:興行は10日間ごとに劇場を変えて行われるのですが、だいたいその10日間で120万円だったそうですね。上野で馬を使って獣姦ショーをやったのが、母が46歳くらいのときですが、あれは連日の満員御礼でした。上野駅の出入口からデパートのマルイまで長蛇の列で、人が絶えなかったですから。入場料は1万円だったと思います。

――ちなみに、ヤギと交わったヤクザの方も、結構な報酬がもらえるのでしょうか。

有賀美雪:もらえませんよ(笑)。獣姦は動物を使うので、餌代もバカになりませんから。黒黒ショーは売上の大半を叔父が持っていったはずだし、組員に入るのはわずかだったでしょうね。

◆楽屋で見かけた衝撃的な光景

――有賀さんは当時のストリップ劇場の楽屋を「人間のクズの集まり」だったと公言していますよね。

有賀美雪:実際そうでしたから。急須を裏返しにして、そこでヒロポンを溶かして注射器で刺しているやつとかね。それからちょっとすると「ふぅ、スッキリした」なんていって。そんなのを子どもの頃から見てきているわけですよ。

――その昭和ストリップについて、こうしてお話くださるのはどうしてですか。

有賀美雪:近々、自伝を出そうと思っているんですよ。今は反社会的組織と関係を持つ興行は取り締まられてしまうし、昭和の混沌とした時代のストリップを知る人も少なくなってしまったでしょう。かと思えば、本当はぜんぜんストリップの歴史なんて知らないのに、したり顔で語る偽物もいる。だから、私が見聞きした話を記しておこうと思って。読み応えのあるものに仕上がると確信しています。

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 有賀さんの語りは、気風がよく、明快に言い切る心地よさがある。昭和のカオスが産み出した天才ストリッパーとその娘による、親子合作の物語はまだ続いていく。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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