長良川をさかのぼる途中で捕獲されたアユ(永山滋也・長野大教授提供) 長良川のアユは温暖化による冬季の海水温上昇に伴い、海での生活期間が短くなっているとする研究成果を長野大や岐阜大などのチームがまとめた。論文は今月、魚類学の国際学術誌オンライン版に掲載された。
アユは秋に川で産卵。ふ化した稚魚は海へ下って沿岸部で冬を越し、春になると川をさかのぼる。
研究チームは岐阜県水産研究所が保有する、長良川をさかのぼったアユの日齢データを活用。年ごとにばらつきはあったものの、海で過ごす期間は1995年からの30年間で約12日間短くなっていることが確認された。
一方、国土交通省のデータでは、長良川が注ぐ伊勢湾の冬季海水温は2012〜24年、上昇傾向だった。研究チームは、海水温が高いと川をさかのぼることが可能な大きさに早く達するため、海洋生活が短くなっているとみている。
過去の研究結果から、長良川では温暖化に伴い、アユの産卵やふ化の遅れが確認されていた。海での生活期間が短くなったことにより、川をさかのぼるタイミングには顕著な変化が見られないという。
研究チームの永山滋也・長野大教授(河川生態学)は「研究機関で長期に蓄積されたデータを活用し、アユの資源管理に貢献できる基礎的かつ重要な知見を導き出せた」と話している。