オフライン決済の盲点悪用=不正利用の被害止まらず
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2025年05月15日 11:31 時事通信社

加熱式たばこを不正購入したとして、コンビニ経営者らが逮捕された事件では、スマートフォンを電波が通じない状況(オフライン)にしていれば、非接触決済サービス「Apple Pay iD(アイディ)」を不正利用されてもクレジットカードを停止できないという仕組みが悪用された。
警視庁犯罪収益対策課などによると、同サービスは不正利用が確認された場合、カード会社がオンラインで遠隔操作し、登録されたカードを無効化して利用できないようにすることができる。
ただ、犯罪組織などがスマホを機内モードに設定して、電波を遮断すると、カード会社はカードを無効化することができない。不正利用を止められず、被害拡大が続くことになる。
逮捕されたコンビニ経営者らはこの仕組みを悪用し、オフライン決済で加熱式たばこの購入を繰り返しており、この店舗の被害額は半年間で約1億円に上るとみられる。
新宿区内の別のコンビニでも2月、他人のカード情報を登録した交通系ICカードでたばこを不正購入したとして、中国籍の男2人が逮捕された。この店舗でも被害は計約4500万円に上っており、警視庁はいずれの事件でも不正転売組織が背後にいるとみて、実態解明を進めている。
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