2024/25年フォーミュラE第9戦東京E-Prix オリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム) 5月18日(日)、東京・有明の東京ビッグサイト(国際展示場)周辺の公道を舞台に、2024/25年フォーミュラE第9戦東京E-Prixの決勝レースが行われ、オリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム)がポール・トゥ・ウイン。ニッサンの母国レース初勝利を飾った。
電動フォーミュラマシンを使って争われるフォーミュラE。今年も東京ビッグサイト周辺で行われた東京E-Prixは、1週末2大会のダブルヘッダーで開かれたが、雨のレースを経て迎えた第9戦は晴れ空に恵まれた。
午前の公式予選では、最終デュエルでクラッシュが起きる波乱もあったなか、ニッサン・フォーミュラEチームのオリバー・ローランドが2戦連続のポールポジションを獲得。2番手には初勝利を狙うダニエル・ティクトゥム(クプラ・キロ)がつけた。
フォーミュラEのレースでは、『アタックモード』の2度の使用が義務となる。これは、特定のコーナーのアウト側(東京ではターン4)の規定エリアを通過すると起動することができる。
使用する際はコーナーのアウト側を通ることになるためロスが生じるが、出力は通常の300kw(約400馬力)から350kw(約470馬力)へと増加し、4輪駆動となる。なお、2度の起動時間はそれぞれ4分間を2回、もしくは2分間+6分間のパターンから選択することができる。
決勝レースは、32周の規定周回と中断等に基づいた追加周回を合計したラップ数で争われる。15時05分、気温26度の晴れ空のもとで決勝レースはスタートした。
まずはスタンディングスタートで、ローランドがトップをキープ。2番手ティクトゥム、3番手パスカル・ヴェアライン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)と予選順位のままに戦いは幕を開けた。なお、予選でクラッシュしたミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)は出走が叶わなかった。
ここからはアタックモードの使用タイミングがカギとなるが、先に動いたのはティクトゥム、ヴェアライン、テイラー・バーナード(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)ら上位勢。追加パワーを利用し、ローランドを次々にパスしていく。
ここで、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)が接触によりフロントウイングを破損しリタイア。このデブリ回収のためにフルコースイエロー(FCY)が導入された。
レースはすぐに再開され、その1周後にローランドもアタックモードを使用したが、リスタート直後にアタックモードを使用したニック・キャシディ(ジャガーTCSレーシング)に先行され、アタックモード同士の戦いとなりうまく順位を上げられない。
ここでは中団にとどまったローランドは、次は上位陣よりも先に2度目のアタックモードを使用する作戦に出る。この選択が奏功し、あとからライバルがアタックモードを使用した隙に2番手へ浮上し、トップのヴェアラインを追っていった。
さらに、先にアタックモードを起動していたローランドの作動時間は6分、前のヴェアラインは4分と差が生じた。ローランドはこの差を利用し、ヴェアラインのアタックモードが切れたころに最終セクションのストレートで仕掛け、壁ギリギリのアウト側から首位奪還のオーバーテイクを決めた。
その後は、終盤のスパートで各車のギャップが縮まり、上位のバトルが激化。ローランドはなんとかヴェアラインからポジションを守った一方、その後方でバーナードがウォールに追突しコース上に停止。このクラッシュによって、セーフティカーが導入された。
レースは残り1周で再開となり、エネルギー残量に余裕が出た各車はハイペースでラストラップを終え、ローランドが見事チームの母国で優勝を決めた。2位は現王者ヴェアライン、3位にはティクトゥムが入って初表彰台を獲得した。
[オートスポーツweb 2025年05月18日]