ネットトラブルに関し、注意喚起する教科書 ネットいじめや、闇バイトなど犯罪への注意喚起も―。プログラミングやデータ活用を学ぶ情報Iを中心に、多くの教科書が情報社会で適切な活動を行うための「情報モラル」を重視し、ページを割いた。
「傷つかない傷つけないために」。東京書籍(東京都北区)は情報Iで、被害と加害両面から注意を促した。SNSでの個人情報の扱いや、不正アクセス、詐欺などに巻き込まれないための対処法を説明。ネットいじめについて、「被害者は24時間心が休まらず、加害者は顔を合わせない気軽さから罪の意識を持ちにくい」と強調した。
開隆堂出版(文京区)は家庭総合で闇バイトを取り上げた。「即金10万円」の誘いで強盗に加担させられそうになり、「やらないなら100万円用意しろ」と脅すメッセージが表示されたスマートフォンなどのイラストを掲載。「ひとたび関わると逃げられない。犯罪組織に人生を使い捨てにされる」と呼び掛けた。
生成AI(人工知能)は、情報や公民、国語など、幅広い教科で扱われた。生成AIとの会話や動画づくり、ゲーム開発までを説明した教科書がある一方、使用上の注意を紹介したものが多かった。著作権との関係や、事実と異なる情報を生成する「ハルシネーション(幻覚)」に関する記述もあった。

闇バイトなどの記載がある教科書

生成AI(人工知能)に関する記述がある教科書