夫はぶつぶつ文句を言っていました。しかし、子どもが自分でお礼を言えない年齢なのだから、親である私たちがお年玉をいただいた本人に連絡してしっかりお礼を伝えるのが親の責任だと私は思うのです。
私は、この「お年玉お礼問題」について、ちょうど悩んでいたところだったと夫に話しました。
本当は、姪や甥からはもちろん、兄たちからもお礼がないことについて、いままでも、ずっとおかしいなとは思っていました。でも私はまだ子どもがいなかったので「当事者にならないとわからないことなのかな?」と思うようにしていました。そして今回、リリが生まれて親となったいま、お年玉のお礼を言わせない、言わない兄たちを、やはり非常識だと思うのです。
「そうだよね、僕の妹たちにはお礼のメッセージをいれておくよ」と夫は私の考えを理解してくれました。
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夫は、その場ですぐに妹たちにお礼のメッセージを送ってくれました。
「でも、もしかしたらお義兄さんたちも、僕みたいにとくに悪気もなくお義母さんにお礼を言うだけで大丈夫だと信じ切ってしまっているのかもしれないよ? それに、いい気分で渡せないならもうお年玉あげなくていいんじゃないかな?」と夫は言いました。
「モヤモヤするくらいなら、お年玉なんてあげるのやめてしまおうかな」なんて夫と会話をしてから約1年。またお正月の季節がやってきました。
結局、年始に私が兄に送った「リリへのお年玉もらったよ。ありがとう」という内容のメッセージは既読スルーされたままでした。それ以降やりとりもしておらず、夏なども会う機会はありませんでした。
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思い切って、私のこのやりきれない気持ちを母に話してみました。
兄たちから一切お礼の言葉がないと話すと、母はとても驚いていました。姪も甥も自分のスマホを持っていないから連絡もできないし、会う機会がないため直接お礼を言えないのは仕方ないとしても、兄たちからも何もないというのはひどい。見返りが欲しいから10年近くお年玉をあげていたわけではありません。ですがお礼のひと言もないなんて、真心をあげてもしょうがないと思ってしまったんです。
リリが生まれ、私も子どもがお年玉をもらう立場になりました。ふと「いま私があげなくなったら、兄たちからももらえなくなるかも」「私がお年玉をあげていた10年間無駄になる」と損得勘定まで芽生えてしまったのです。お礼を言われないでモヤモヤするのも嫌だし、損得勘定で考えてしまう自分も嫌。だから今年はお年玉を事前に送ることはしないことにしました。私の決断を、母も尊重してくれています。
【後編】へ続く。
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