金曜日の朝。トヨジが会社にいく身支度をしながら「うちに同僚13人を呼んでBBQする」と言い出しました。
日曜日といえば明後日です。いくらなんでも急すぎるから「今回は無理だよ!」と私は断りましたが、トヨジは聞く耳を持ってくれません。
子どもは2歳でまだまだ手がかかるし、なによりいま私は妊娠中です。以前うちでBBQをやったときは、まだ子どももいなかったので、いまとは状況がまったく違います。それでもトヨジは「みんなで集まれるようにBBQができるこのマンションを買ったんじゃん! ジュンは身体辛いなら、当日なにもしなくていいから! じゃあ、いってきます!」と自分の言いたいことだけ言って会社に行ってしまいました。
「トヨジ……まじでうちでBBQするつもりなのか!?」
トヨジは体育会系な性格なこともあり、後輩の面倒見もよくアウトドア派です。学生時代には、実家に仲間を招いてBBQすることもよくあったそうです。まわりに目を配り、積極的にみんなをもてなすことのできるのはトヨジの長所だなと思っていました。それに、幸いトヨジは、普段は子どもの面倒もよくみてくれます。でも、お酒が入って仲間もいたら盛り上がってしまい、きっと子どもの世話は私一人の役目になることでしょう。
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そして、BBQの買い出しはどうするつもりなのでしょうか。子どもを連れて私が一人で大量の買い物をしてくるのは無理なので、トヨジが会社から帰るのを待ってから一緒に出かけるとすると、子どもを寝かせる時間が遅くなってしまいます。
トヨジはなにもわかっていません。人を家に呼ぶということは本当に大変なのです。子どもがいて、私のおなかだって大きいのに、いつも以上に入念に掃除だってしないといけないのです。ていうか私はいまそんなことまで気をまわしたくありません。
いろいろ考えましたが、やはりいまの状況でうちで大勢を呼んで、BBQをやるなんて絶対無理です。
家に人が来るとなれば、掃除に準備にやらなければならないことは山積みです。しかも13人も来るとなれば、後片付けだって考えただけで憂鬱です。トヨジは「何もしなくていい」と言うけれど、もし本当に私が何もしなかったら……。
みんなに冷ややかな目で見られるのは、容易に想像できます。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・物江窓香 作画・おんたま 編集・Natsu