A.エスパルガロが語った引退理由「『頭』では速く走れるけど『心』はやめて欲しいと言っている」/第6戦カタルーニャGP

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2024年05月24日 16:50  AUTOSPORT web

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引退会見を開いたアレイシ・エスパルガロ/2024MotoGP第6戦カタルーニャGP
 5月23日、2024年MotoGP第6戦カタルーニャGPの開催地であるカタロニア・サーキットで、アレイシ・エスパルガロがプレスカンファレンスを開いて、2024年限りで現役を引退することを発表した。昨年も優勝を飾りトップで走ることができるポテンシャルがあるなか、現役を退くことを決めた理由を会見で説明した。

 アレイシ・エスパルガロは1989年生まれの現在34歳のMotoGPライダーで、スペイン・カタルーニャ州出身だ。そのため、引退会見をカタロニア・サーキットで開くことを決めた。

 彼は2004年にスペイン選手権(CEV)125ccクラスでチャンピオンを獲得して、同年のロードレース世界選手権125ccの最終年で世界戦のデビューを果たすと、翌2005年は125ccにフル参戦を初めた。2006年は125ccにエントリーしたが、途中から250ccに昇格して2008年まで参戦する。

 そして、2009年の途中から代役ではあるが最高峰のMotoGPクラスを経験した。2010年にはMotoGPクラスでレギュラー参戦をはじめ、CRTクラスのなかでトップを走るパフォーマンスを見せた。

 フォワード・ヤマハから参戦した2014年には第14戦アラゴンGPで2位を獲得し、第8戦オランダGPではポールポジションも奪った。2015年はスズキが復帰したが、そのライダーに選ばれてポールポジションを獲得。2年間参戦した後、2017年からアプリリアに移籍した。

 アプリリアでは長年苦戦を強いられたが、2021年に第12戦イギリスGPで3位表彰台を獲得。2022年の第3戦アルゼンチンGPで初優勝を飾って以降は表彰台も増え、2023年は第9戦イギリスGPと第11戦カタルーニャGPで勝利を挙げた。

 今季はまだ表彰台はないが、これまで通算12度(Moto2で1回、MotoGPで11回)の表彰台に上っており、MotoGPクラスで3度の勝利を飾った。残り15戦あるが、引退を決めた彼は会見で以下のように語った。

■アレイシ・エスパルガロ
「まず最初に、来てくれた皆さんに感謝している。ここでみんなに会えるのは素晴らしいことだ。ご想像のとおり、今シーズンの終わりに僕はフルタイムMotoGPライダーから引退する。素晴らしい旅だった。とても楽しかった、みんなありがとう」

「ここ(カタルーニャ)は特別な場所で、僕がライディングを始めた場所であり、昨年は僕にとって夢が叶った(優勝した)場所なので、フルタイムライダーから引退することを発表するのに最適な場所だ。僕の軌跡はこれまでとは全く異なったが、すべてのライダーと同様に、それは簡単ではないし、誰もタダで何かを与えてくれないが、僕の場合は本当に非常に奇妙だった。30代の僕がレースに勝ち、表彰台に上がることができるとは、ハリウッド映画でさえ、誰も想像できなかった。だからとてもうれしいし、誇りに思う。決して十分ではないけれど、自分がここまで来られたことをとても誇りに思う。何年も前にここでデビューした子供はとても幸せになるだろう」

「僕はいつも人生で多くの間違いを犯してきた。なぜなら、僕は『頭』ではなく『心』ですべてを行うからだ。しかし、それが僕の性格だ。僕の『頭』は、レースを続けることができ、そして史上最高の成績を残すライダーがいるグリッドで速く走れると言っている。競争力もあり、身体的にも良いと感じているが、『心』はやめて欲しいと言っている。家で過ごす時間を増やしたいし、妻や子供たちと一緒にいたいという気持ちが僕に訴えているから、一歩離れて、よりリラックスした方法で人生を楽しむことに決めた」

「何よりもアプリリアに感謝したい。ロマーノ、マッシモ、パオロとともにここに来て以来、この2〜3年は達成したすべてが夢のようだった。歴史を作ったし、彼らが僕に与えてくれたものすべてに、そして僕が彼らに与えることができたものすべてに、僕は永遠に感謝するだろう。カルメロとカルロスに感謝したい。なぜなら、僕はここで育ったし、ここは僕の人生であり、学校でありすべてだったから。子供たちにとってもだね」

「家族、いつも基準にしてくれた弟に感謝したい。そして自分のチームのみんな、アルベルト・バレラなしでは僕のスポーツ人生は決してこんなものにはならなかったし、今では人生の一部となっている。そして妻のローラに感謝する。そしてパドックにいるすべてのライダーに感謝する。僕は自分が知っている限りのことをすべて尽くしてきた。とても幸せだ。みんなありがとう」

「世界には、そして今日のこの空間には、僕よりも多くの勝利を収めたライダーがたくさんいるけど、僕は自分のすべてを捧げ、とても一生懸命働いた。自分には他のライダーに比べて才能がないかもしれないと何度も感じたけど、懸命に努力することで、僕はかなり高いレベルに達することができた。アプリリアでここ2、3シーズンの思い出をもう一度見ることができたのは素晴らしいことだった。僕は夢を見ていたし、それがやめることに決めた理由のひとつでもある。十分だし、とても楽しかったし、良い気分でフルタイムライダーから引退したい。簡単な一週間ではなかったし、時々奇妙な空間に飛び込んでいるような気がしたけど、本当に幸せだよ」
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