キック・ザウバーはフリー走行にシュワルツマンを選出。高い評価をしていたビノットの下でのF1デビューに繋がるか

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2024年08月23日 08:20  AUTOSPORT web

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フェラーリF1のリザーブドライバーを務めるロバート・シュワルツマン(写真左)。今年はWECのハイパーカークラスにAFコルセから参戦している
 今週末ザントフォールトで開催されるF1第15戦オランダGPのフリー走行1回目に、キック・ザウバーからロバート・シュワルツマンが参加する。シュワルツマンにとって今回の走行はひとつのボーナスのようなものであるが、将来に向けて扉を開くことになる可能性があるかもしれない。

 フェラーリのリザーブドライバーを務めるシュワルツマンは、ベテランのバルテリ・ボッタスに代わり、オランダGPのフリー走行1回目に参加する。これは、各チームがシーズンごとに義務づけられている2回のルーキーによる走行のうちの1回目だ。周冠宇のマシンについては、誰がドライブするのか、どのグランプリで義務を消化するのかまだ決まっていない。

 シュワルツマンがザウバーの1台をドライブするという決定は驚きだった。チームの公式テスト兼リザーブドライバーはテオ・プルシェールであり、インディカーのシートを失った彼は、今週末にザントフォールトでフリー走行に参加することも可能だった。今週末はポートランドでインディカーが開催されるが、同シリーズでレギュラーシートを持たないプルシェールがポートランドでマシンに乗る唯一の方法は、直前にチャンピオンシップのレギュラーのひとりがイベントを欠場するのに備えることだ。実際にプルシェールは7月に、怪我で欠場したアレクサンダー・ロッシに代わってアロウ・マクラーレンから第12戦トロントに参戦した。

 プルシェールがザウバーからFP1に参加しないという事実は、彼とスイスのチームとの時間が間もなく終わりを迎えることが示されており、彼の将来は2025年の初めからインディカーにつながる可能性が高い。それがプルシェールのマネジメントが追求しているルートだ。全日本スーパーフォーミュラ選手権への復帰はありそうにない。プルシェールは、インディカーに出場するために今年のシリーズをたった1レースで離脱したので、チームや選手権のプロモーターからあまりよい印象を持たれていないためだ。

 一方シュワルツマンにとって、このF1での走行はボーナスだ。彼がグランプリドライバーになる可能性が消えかけていることは、数年前からはっきりしており、現在彼は常にフェラーリの傘下でスポーツカーやGTレースに集中している。しかしながら、イスラエル生まれのロシア人であるシュワルツマンは、依然としてスクーデリアのF1プログラムの一部であり、特にグランプリの週末には、かなりの量のシミュレーター作業を行っている。

 マッティア・ビノットが現在アウディのF1プログラムを運営しているという事実は、シュワルツマンにとって予想外の扉を開くことになるかもしれない。なぜなら、ビノットは常にシュワルツマンの能力を認めており、2022年末にジョン・エルカーン会長によって解雇されたときには、フェラーリでの将来の役割に備えて、当時のアルファロメオもしくはハースでレースをするよう彼に準備をさせていたところだったからだ。

 だからこそ、ザウバーとフェラーリの協力関係の一環であるという正当化の下で、金曜日の走行は、シュワルツマンに将来のグランプリへの予想外の生命線を与える可能性がある。特にアウディが、2025年にニコ・ヒュルケンベルグと組むパートナーをまだ決定していないことを考えると、なおのことだ。

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