大混戦のなか山下健太が首位発進、ナカジマ2台が続く。MUGENは中団に【第5戦もてぎ土曜フリー】

　8月24日、栃木県のモビリティリゾートもてぎにて2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦のフリー走行が行われ、KONDO RACINGの山下健太がトップタイムをマークした。

　富士スピードウェイでの第4戦を終え、2024年シーズンは折り返しを迎えた。第4戦富士から約一カ月を経て迎えたシーズン後半戦1ラウンド目の舞台は、ストップ＆ゴーのコースレイアウトで知られるモビリティリゾートもてぎだ。

　所々晴れ間がのぞく空のもと、気温28度のドライコンディションで、8時55分より90分のフリー走行が開始となった。コースオープンと同時に、野尻智紀、岩佐歩夢（ともにTEAM MUGEN）、山下健太、小高一斗（ともにKONDO RACING）をはじめとした約10台が走行を開始する。

　元F1ドライバーで、現在はWEC世界耐久選手権やABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦しているニック・デ・フリース（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）も早々にコースへ向かい、周回を重ねた。

　15分が経過するころには全21台がコースインを果たし、走行とガレージインを繰り返しながら各車プログラムを進める。この時点のトップタイムは阪口晴南（VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING）の1分34秒040で、僅差で佐藤蓮（PONOS NAKAJIMA RACING）、坪井翔（VANTELIN TEAM TOM’S）、大湯都史樹（VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING）らが続く。

　まずは各車、トラブルなく序盤を終えた。そして、次第にペースが上がっていくなかでタイムを更新したのは第4戦富士を制した坪井で、1分33秒653をマークして唯一の33秒台でトップへ。次に福住仁嶺（Kids com Team KCMG）、佐藤、牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）らもタイムを上げてきた。

　今大会がSFデビューとなるデ・フリースは、各コーナーで5コーナーでリヤを滑らせたり、90度コーナーでグリーンに片輪を落とす場面もありつつも走行を重ねており、マシンの限界を探りつつ習熟を進めている様子だ。

　さらに、抜きづらいとされるもてぎのレースではスタートの良さが重要になってくるからか、各車精力的にスタート練習を行う様子も見られる。

　セッション折り返しを迎えるころには、山下健太（KONDO RACING）が1分33秒046でトップに浮上。3番手には、岩佐歩夢（TEAM MUGEN）が徐々にタイムを上げてきた。さらに、佐藤が1分32秒725で32秒台に入りトップタイムを更新し、太田格之進（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）も32秒台に入れて2番手に続く。

　19番手につけていたニック・デ・フリース（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）も、徐々にペースを掴んできたか1分33秒742を刻み、8番手に上がってくる。一方チームメイトの国本雄資（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）は1分33秒333で6番手だ。

　以降、タイム更新は落ち着いてきたなかでセッションは終盤へ。残り15分となったころには、第4戦富士で2位表彰台を手にした大湯が1分32秒634をマークし、全体ベストを塗り替えた。

　そして、残り5分ごろになると多くのマシンが予選シミュレーションへと向かう。なお、牧野と大湯は残り3分ごろにコースインをしており、タイヤの熱入れでも1周多く行う選手と、アウト〜プッシュでアタックに入る選手とが分かれている様子だ。

　まずは牧野がタイムを更新し、大湯のトップタイムに次ぐ2番手に浮上する。さらに、山本尚貴（PONOS NAKAJIMA RACING）が1分32秒510で全体ベストを更新し、チームメイトの佐藤が0.072秒差でさらに上回って代わりにトップへ立つ。

　そして、最終盤にチェッカーフラッグを受けた山下健太（KONDO RACING）が1分32秒366をマークし、全体ベストを更新。富士公式テストで掴んだ好調をここでも披露し、17台が1秒以内に連なった混戦模様のフリー走行を全体首位で終えた。

　そして、ランキングトップの野尻智紀（TEAM MUGEN）はトップと0.774秒差の13番手、さらにチームメイトの岩佐歩夢（TEAM MUGEN）も12番手となり、選手権をリードしているMUGENの2台が中団にとどまっている点は気になるところだ。

　14時45分からは、ノックアウト方式の公式予選が行われる。ただ、午後からは雨予報となっているため、もしかしたら午前フリー走行の結果とは異なる戦況が見られるかもしれない。