イクイノックスの元担当者も大絶賛のクリスマスパレード 成長力にも長けた血統背景で更なる飛躍へ

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2024年09月09日 20:00  netkeiba

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紫苑Sを制したクリスマスパレード(撮影:下野雄規)
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返る紫苑S

【Pick Up】クリスマスパレード:1着

 ノーザンファームで1歳時からこの馬にまたがっていた古賀慎太郎さんは、同じキタサンブラック産駒のイクイノックス担当でもありました。もちろん、どちらもベタ褒めで、クリスマスパレードについては「柔らかさ、素軽さは今まで乗った馬でもトップだと思います。軽く走って14秒を切って力感もなく動けています」と、2歳6月の段階で自信満々でした。トレセンに入厩後、加藤士津八調教師も絶賛していたようです。

 今回、5番人気での重賞初制覇でしたが、この馬に関わってきた方々にとっては、さほど意外性はなかったのではないでしょうか。これまでに出走したキタサンブラック産駒の牝馬のなかでは一、二を争う素質馬でしょう。

 母の父ブレイムは、アメリカのBCクラシックにおいて、女傑ゼニヤッタ(通算20戦19勝)に生涯唯一の黒星をつけた馬です。種牡馬としては仏オークス馬センガ、本邦輸入種牡馬ナダル(アーカンソーダービー)などを出しており、ロベルト系らしい成長力と底力に特長があります。ひと夏を越してグンと成長してきましたが、まだまだ強くなる余地を残しています。秋華賞でも好勝負が見込めます。

◆血統で振り返るセントウルS

【Pick Up】トウシンマカオ:1着

 父ビッグアーサーは高松宮記念とセントウルSの勝ち馬。セントウルSは親子2代制覇となります。高松宮記念はミッキーアイルを破ってレコード勝ち(1分06秒7)しました。

 父系をさかのぼると1967年に輸入されたテスコボーイに到達します。ここ半世紀あまりの間に、数えきれないほどの種牡馬が輸入されましたが、テスコボーイ系は「スピード」という一芸に賭け、生き延びてきました。2代父サクラバクシンオーは1400m以下で12戦11勝。スプリンターズSを2連覇したほか、ちょうど30年前のスワンSで、日本競馬史上初めて芝1400mで1分20秒の壁を破りました(1分19秒9)。同馬はキタサンブラックの母の父でもあります。

 3代父サクラユタカオーは、1800mと2000mで日本レコードを樹立。時計勝負に強い、というのがこの系統の特長で、サクラユタカオーと同じくテスコボーイを父に持つトウショウボーイは、芝1600mと芝2000mの日本レコードを樹立しました。

 トウシンマカオの母の父スペシャルウィークは、エピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアの三兄弟や、ディアドラ、ジュンライトボルトなど、ブルードメアサイアーとして定評があります。

 トウシンマカオの出現によってテスコボーイ系はまだまだ伸びていく可能性が高まりました。

このニュースに関するつぶやき

  • 紫苑Sで差してきた2、3着馬がレースを見ると強そうに見えるが、本番を見据えた上で語らせてもらうなら京都内回りで小脚が使え先行出来るクリスマスパレードに分があると思う。本番も期待する。
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