フェネストラズが離脱へ。ニッサン・フォーミュラE、来季シーズン11にローランドとナトを起用

　9月11日、日産自動車はニッサン・フォーミュラEチームとして参戦するABB FIAフォーミュラE世界選手権について、来季2025年シーズン11のドライバーとしてオリバー・ローランドとノルマン・ナトの起用を発表した。サッシャ・フェネストラズはチームから離脱することになる。

　昨季シーズン10では、日本でも活躍したフェネストラズとイギリス人ドライバーのローランドを起用してチームランキング4位を獲得しているニッサン・フォーミュラEだが、新型マシン『GEN3 Evo』が投入されるシーズン11に向けて、継続のローランドと復帰加入となるナトのラインアップが発表された。

　ローランドは自身のホームレースを含むふたつのレースで優勝し、さらにふたつのポールポジションと5つの表彰台を獲得し、ドライバーズランキング4位でシーズンを終えている。一方でアンドレッティ・フォーミュラEから移籍加入となるナトは、シーズン9以来のニッサン復帰となる。

　ニッサンで2年目のフォーミュラEを迎えることが決まったローランドは「前シーズン、ともに素晴らしい成績を残せたニッサンチームでの続投が決まって本当に嬉しい」とコメントした。

「来シーズンは予選や車両開発など、レース全般でより一貫性を持たせる必要がある。昨年は完璧と思えるレースがいくつかあったから、今シーズンはさらに進歩させ、上位ポジションを掴むためにできる限りの調整をしたい」

「ナトは非常に経験豊富でチームのことをよく知っている。彼とは数年前からの知り合いなので、一緒に走れることを楽しみにしているよ」

「GEN3 Evoは全チームにとってのチャレンジになるけど、私たちはパフォーマンスを最大限に引き出し、シーズン11の好調なスタートを切れると期待している。また、サッシャ（フェネストラズ）の幸運を祈る。シーズン10では彼と有意義な時間を過ごしたから、早くレースに戻ってくることを願っている」

　一方のナトも「ニッサン・フォーミュラEチームへの復帰を嬉しく思う。シーズン9では良い結果を出せたから、シーズン11でも良い流れを作りたい。僕はすぐにパフォーマンスを発揮することを目指していて、シーズン9の経験が役立つだろうね」と来季への抱負を語っている。

「昨シーズンはローランドが速さを証明した。僕たちはフォーミュラ・ルノー2.0以来、サーキットで戦ってたけれど、チームメイトになったことはなかったんだ。でも、うまくやっていけると確信しているし、一緒に表彰台に立ちたいとも思っている。車両の進化がどうなるかも興味深いけど、目標は明確で、レースとランキングを制したいと考えている」

「最後にサッシャの幸運を祈ります。彼は素晴らしい人物であり、以前パートナーシップを組んでいた人と入れ替わることは簡単なことではない。僕たちは近いうちにふたたび競い合うことになるだろうね」

　ニッサン・フォーミュラEのゼネラルマネージャー兼ニッサン・フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ・ヴォルペは「前シーズンでは非常に良いパフォーマンスを発揮できたので、シーズン11に向けてワクワクしている」と述べた。

「ナトの復帰を歓迎するとともに、彼の豊富な経験とパフォーマンスに期待している。ナトはチームをよく知っていて、シーズン9でも優れた才能を発揮していました。彼のフィードバックと洞察は貴重で、車両開発の実績もある」

「また、ローランドは素晴らしいシーズン10を終え、その好成績を維持できると確信している。ローランドとナトは両者ともチームプレイヤーであり、強力なコンビになると信じている。ふたりとも、チームにとってさらに良いシーズンとなるようベストを尽くしてくれることでしょう」

　そしてヴォルペは最後に、ニッサン・フォーミュラEで2年間戦ったフェネストラズに対して「簡単な決断ではありませんでしたが、チームはサッシャに別れを告げなければならない」と、これまでの働きに感謝の言葉を述べた。

「彼はチームの確立と発展において重要な役割を果たしてきました。たゆまぬ努力と常に前向きな姿勢を見せてくれたサッシャに感謝し、今後のキャリアの幸運を祈る」