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コロナ禍で広がった在宅勤務について、新型コロナの沈静化を境に企業規模で対応が二極化している。大企業は在宅勤務が定着している一方、中小企業は出社が前提に戻っていることが東京商工リサーチ(TSR)の調査で明らかになった。その理由とは?
●「在宅OK」大企業は36%、中小は19% 差の理由は?
2024年7月より新型コロナウイルスの感染者の増加傾向が見られたが「これまでと変わらず在宅勤務も許可している」とした企業は、20.5%にとどまった。また「原則出社から在宅勤務を許可した」とした企業は、0.9%と1%に満たなかった。在宅勤務を認めている企業は合わせて21.5%と、5社に1社にとどまる結果となった。
一方で「これまでと変わらず出社を前提している」とした企業は69.1%、「在宅勤務を許可していたが、2024年7月以降は出社前提に切り替えた」は0.7%と、「出社前提」の企業は合わせて69.9%に上った。
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在宅勤務を認めている企業を規模別で見ると、大企業は36.5%、中小企業は19.5%となり、大企業の方が17.0ポイント上回る結果に。大企業は在宅勤務が定着している一方で、中小企業は出社前提に戻っている様子が明らかになった。
中小企業が在宅勤務を推進するには、業務の達成度や労務面など人的管理の負荷が大きい他、パソコンやVPN、システムなどの設備負担も重く、大企業ほどコストと労力をかけられない現実があると東京商工リサーチは指摘する。
●「在宅OK」業種別のTOP10は?
在宅勤務を許可している企業の業種については、ポータルサイト・サーバ運営業などを含む「インターネット附随サービス業」が最も多く、71.4%に上った。次に、受託開発ソフトウェア業などを含む「情報サービス業」(64.9%)、経営コンサルタントなどを含む「専門サービス業」(55.4%)と続いた。
一方で、出社を前提としている企業の業種については、バス業やタクシー業などの「道路旅客運送業」が最も多く95.0%。次に、学校や保育園などを含む「学校教育」(91.3%)、美容・理容業、クリーニング業などの「洗濯・理容・美容・浴場業」(90.9%)となった。
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出社を前提とするのは、どのような理由があるのだろうか。最も多いのは「業務の特性上、在宅勤務がなじまない」の76.1%。その他「新型コロナの感染症法上の分類が5類であるため」(25.8%)、「人員の関係上、在宅勤務にすると業務に支障を来たす」(19.4%)といった回答が多く見られた。
また「情報セキュリティ上の問題」「出社のほうが社員のパフォーマンスが高い」「社風、経営者判断」といった回答も寄せられた。
調査は8月1〜13日にインターネットで実施。資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。有効回答は7193社。
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