【検証】気候同行カード、本当にお得?2泊3日の韓国旅行で使ってみた!【ハングクTIMES】

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2024年09月13日 16:50  ORICON NEWS

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『気候同行カード』 撮影:yuuka
以前の担当記事(ハングクTIMES Vol.163)でギリギリ盛り込めなかった『気候同行カード』。ソウル市内で使える定額制の新しい交通系カードです。最初はよくわからなかったけれど、日が経つにつれて徐々に「お得すぎる!」というインフルエンサーさんの発信が増え、私も次回のソウル旅で使ってみて真相を確かめなければ…!という使命感が高まっていました。

【写真】チャージ方法を徹底解説!

今回は、2ヶ月に1度ペースで韓国を取材する韓国グルメ・トラベルライターのyuukaが、2泊3日のソウル旅行で実際に気候同行カードを使用し、本当にお得なのか噂の真相を確かめてきました。入手できる場所や使い方もレポートしていくので、ぜひ参考にしてくださいね。

※韓国ウォンから日本円の為替レートは、9月7日現在のものを使用しています(1ウォン=0.11円)

■『気候同行カード』って何?

『気候同行カード』とは、ソウル市内の地下鉄やバス、タンルイ(レンタサイクル)が定額で一定期間乗り放題になる交通カードです(ただし、タンルイの乗り放題は30日プランのみ付属可)。今年7月1日から旅行者向けに、滞在日数に合わせて選べる短期券が発売され、日本で話題になりました。これまで『T-money』や『EZLカード』などで都度チャージして使用していたものが、利用初日に定額分をチャージするだけで乗り放題になるなんて、なんだか楽々そう。

そもそも『気候同行カード』、英語名で“Climate Card”ってなんでこういう名前なの?と疑問に思い、調べてみました。時間帯によっては渋滞が深刻なソウル市内。自家用車の利用を減らして公共交通機関の利用を促進し、温室効果ガスの削減を目指す気候変動に立ち向かうための対応の1つとして発売されたとのことです。

■気候同行カードの種類や対象のエリア

『気候同行カード』は、30日券と短期利用券の2種類があり、実物カードとモバイルカードがあります。ただしモバイルカードは、外国人登録番号や韓国で開設された銀行口座や韓国で発行されたクレジットカードが必要なので、日本人旅行者の場合は基本的に実物カード一択と考えてOK。

価格は下記の通りです。

【30日券】
地下鉄・バス:6万2000ウォン(6820円)
地下鉄・バス・タンルイ:6万5000ウォン(7150円)

【短期券】
1日券:5000ウォン(550円)
2日券:8000ウォン(880円)
3日券:1万ウォン(1100円)
5日券:1万5000ウォン(1650円)
7日券:2万ウォン(2200円)

これに加えてカードそのものが3000ウォン(330円)かかります。ただ、『気候同行カード』は使い捨てではなく、一度購入すれば次の旅行でももう一度チャージして利用できるので、3000ウォンがかかるのは初回利用時のみです。

気を付けなければならないのは、仁川空港からソウル市内に向かう空港鉄道や空港バスでは使用できないということ。一方、金浦空港はソウル市内にあるため『気候同行カード』を空港駅から利用できます(※詳しい利用範囲は、ソウル特別市庁の該当ページをご覧ください)。

※2024年9月11日最新情報
9月13日から追加料金なしで仁川空港(T1・T2)駅での下車が可能に!ただしソウル市内の空港鉄道駅から一般列車に乗車して下車する場合のみで、ノンストップで行ける直通列車では利用不可。

また使用期限は、使用開始日を含む選択した期間。正確には、使用開始日の始発から、指定した期限日の最終バス・地下鉄まで利用できます。

ということは、夕方に空港着でソウルに来る場合は、初日は夜の間だけしか使用できません。もしかするとその次の日の朝にカードを購入する方が賢い場合もあるので、旅のスケジュールに合わせて検討すると良いでしょう。

■気候同行カード、どこで買える?

気候同行カードの販売場所は、下記の通りです。

(1)明洞観光情報センター
(2)ソウル観光プラザ観光情報センター
(3)ソウル市内の地下鉄駅周辺のコンビニエンスストア(GS25、CU、セブンイレブン、イーマート24)
(4)ソウル市内の地下鉄駅(1〜8号線)のお客様安全室
※(4)では現金のみ。(1)〜(3)は日本のクレジットカードでも決済可能

仁川空港ターミナル駅のお客様安全室では販売されていませんが、地下鉄5号線金浦空港駅の顧客安全室や空港鉄道 金浦空港駅横のGS25ではゲットできるようです。

■実際に買いに行ってみた!

今回のソウル滞在は3泊4日だったのですが、仁川空港への到着が夕方6時。ソウル市内に着くのは夜の9時ごろだったため、1日目は気候同行カードをスキップして翌日から3日プランで利用しようと考えていました。

「気候同行カードを買いに行ったけど売り切れていた!」という人をSNS上でたくさん見かけたので、まず最初のミッションは果たしてカードを買えるか!?ということ。

今回は、世界中の観光客が滞在する明洞エリアの宿泊施設に滞在しました(この時点で競争率が高そう…)。朝9時ごろ明洞エリアのコンビニを5軒巡りましたが、どこも売り切れ!よく聞かれるのか、一部のコンビニでは「CLIMATE CARD OUT OF STOCK」という張り紙を掲示しているところも。

最後にダメもとで立ち寄った明洞観光情報センターで、ようやく購入できました!ソウル観光情報センターでは、日本語での決済や使い方のレクチャーなどに対応してもらえ、気候同行カードの日本語のパンフレットまでもらえました。

対応してくださったスタッフさんに聞いてみると明洞観光情報センターでは、毎日に近いペースで気候同行カードが入荷するとのこと。朝のうちであれば手に入りやすいようです!

午後に市内に到着してそれから購入したい場合は、観光客が比較的少ないエリアのコンビニや駅のお客様安全室が狙い目だそう。明洞エリア近くでいうと乙支路(ウルチロ)か、鐘閣(ジョンガク)周辺のコンビニ、あるいは鐘閣駅から徒歩6分の場所にあるソウル観光プラザ観光情報センターは比較的在庫が残っていることが多いとのことです。

■いよいよチャージ!使ってみた

カードをゲットしたら、最寄駅の乙支路入口駅の券売機でいよいよチャージ!

まず気候同行カードを発券機に置き、「交通カードチャージ」のボタンをおします。

すると「気候カード」と認識されました。次に右下の「チャージ」をおします。

続いて、使用したい券の種類を選択します。

チャージ情報の確認画面で「認確」というボタンをおして

表示された金額を現金でチャージします。

この画面が表示されたら、チャージ完了です!あとは、改札やバス乗車時・降車時にタッチして利用しましょう。

■実際どれくらいお得?検証してみた

ソウル市内の地下鉄やバスは、1区間1400〜1500ウォン(154円〜165円)。そのため3日券の場合は単純計算で7〜8回くらい乗ればお得になるわけです。

ここで、今回の私の3日間の移動と交通費を一覧にしてみました。

【1日目】
明洞エリア-安国エリア(バス):1500ウォン
三清洞-安国駅(バス):1400ウォン
乙支路3街駅-乙支路入口駅(地下鉄):1400ウォン

【2日目】
乙支路入口駅-弘大入口駅(地下鉄):1400ウォン
弘大入口駅-合井駅(地下鉄):1400ウォン
合井駅-乙支路入口駅(地下鉄):1400ウォン

【3日目】
乙支路入口駅-弘大入口駅(地下鉄):1400ウォン
3日間の合計交通費:9900ウォン

ということで…、気候同行カード3日券1万ウォンに対してギリギリ元を取れませんでした…!

正直なところ「元を取らなければ!」という思いで1日目は歩ける距離もわざわざ地下鉄やバスを利用しており、私の旅のスタイルでは『T-moneyカード』での都度払いが合っていることがわかりました。

■旅のスタイルにぴったりの交通カードをチョイスしよう

私の場合は、ソウルでの観光を一通り終えており、仕事をしながら旅をしているので1日あたりの移動が比較的少ない方です。

ただ韓国旅行に来る皆さんの場合は、せっかく来たのだから明洞の宿から聖水を巡って、江南で美容医療を受けて夜は弘大入口駅でナイトライフを楽しんで…、とたくさんの場所を訪れたいのではないでしょうか?

今回の検証でわかったことは、1日あたり2ヶ所以上を巡りたい人であれば気候同行カードがお得に利用できるということ。一方、私のように1ヶ所滞在型の人やチムジルバンで丸一日ゆっくり過ごしたいという人は、都度払いの方が交通費を抑えられます。とはいえ、交通カードに入っている残高を気にせずにバンバン利用できるのは気持ち的に楽だなとも感じました!

今回は気候同行カードが本当にお得なのかを検証しました。韓国ではいくつかの交通系カードがあります。皆さんそれぞれ旅のスタイルが違うはず。この記事が、お得に韓国旅を楽しむ方法を見つけるのに少しでも参考になればうれしいです。

(取材・文:yuuka)

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