北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さんの父明弘さんが死去したことを受け、記者会見する遺族=17日午後、神戸市 北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん=拉致当時(23)=の父明弘さんが96歳で死去したことを受け、長男らが17日、神戸市内で記者会見した。長男の隆史さん(62)は「再会を果たせずに亡くなったのは残念でなりません」と声を詰まらせた。
四女の郁子さん(63)は「父は『恵子のことは残念だった』と話していたが、残る私たち子どもの健康を日々気遣っていた」と涙を拭った。
長女の北谷昌子さん(68)は母嘉代子さん=2020年、94歳で死去=にも触れ、「父と母は拉致被害者の救出活動は自分たちの代で終わりだと決めていた」と振り返った。家族では恵子さんの話をほとんどしなかったという。
今後の活動について、隆史さんは「決まっていない。きょうだいで話し合って決める」と述べるにとどめた。