ドキュメンタリー映画「小屋番 KOYABAN〜八ケ岳に生きる〜」(深澤慎也監督)舞台あいさつが15日、東京・渋谷で開催中の「TBSドキュメンタリー映画祭2025」で行われ、山岳写真家の菊池哲男氏、企画・プロデューサー永山由紀子氏、深澤監督、ナレーションを務めた女優一双麻希が出席した。
同作は「コヤガタケ」と呼ばれるほどに山小屋が多い八ケ岳を菊池氏と巡るもの。都会に疲れて山の仕事を選んだ小屋番が向き合う過酷な自然との日常と、その過酷さを選んだ理由を描く。丁寧に紡がれた美しい自然と人の姿と彼らの言葉は、忙しい現代社会に生きる我々に優しく響く。
「深澤監督とは元々ボランティア仲間だった」という永山氏。同作の誕生のきっかけを「車の中で見せてもらったユーチューブの映像がきれいなのに、わずかな人にしか見られていなくて、もったいないと思った」とし、「何か企画にと思ったら、このTBSドキュメンタリー映画祭の企画募集があった」。そこで「やってみないと声をかけた」と明かした。
冒頭「写真家の役で出演した俳優見習いです」とあいさつした菊池氏。この一言で会場の空気つかんだ。
撮影エピソードとして「深澤監督が疲れていたのか、車で僕の足を踏んでいった」と振り返り、「あの瞬間“終わった”と思った」と話すと、深澤監督はステージ上で、即座に額が床につくほどの土下座で謝罪した。
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また、衣装について「昨日のアカデミー賞のようにタキシードを用意していたけど、監督から『山の格好で』と言われて…」としつつ、「肝心なカメラを忘れてしまった」と話し会場を笑わせた。
深澤監督は「八ケ岳は長野県です。この作品を長野に届けたい」と熱く語った。「ぜひ1度だけでなく、2度3度足を運んでいただいて“Road to 長野”でお願いします!」と訴えた。
TBSドキュメンタリー映画祭は、TBSテレビや系列局の記者やディレクターたちが追い続け、記録し、魂を込めて世に送り出してきたドキュメンタリーブランド「TBS DOCS」を結実した場であり、今年が5回目の開催となる。
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