富士山吉田口5合目で、通行料を支払う登山者=2024年7月、山梨県富士吉田市 富士山の混雑緩和や危険な登山を防止するため、今年の夏山シーズンから1人4000円の入山料(通行料)を徴収することが決まった。昨年導入した山梨県で4日、1人2000円から引き上げる改正条例が成立。静岡県でも17日、新規導入する条例が議会で可決、成立した。支払いが任意だった1人1000円の「保全協力金」は廃止し、一本化する。
両県とも登山口(計4ルート)5合目にゲートを設置。午後2時〜翌日午前3時は閉鎖して、夜通しで山頂を目指す「弾丸登山」を防止する。山梨側はゲートの閉鎖時間を2時間繰り上げる一方、1日の入山者数(山小屋宿泊者を除く)は昨年と同じ4000人までとした。静岡側に人数制限はない。
入山料はインターネット上での事前決済のほか、現地での支払いも可能。静岡県は昨年に続き、安全登山のルールやマナーをeラーニングで事前学習することを義務付けた。
徴収分は規制の運営経費や登山道の安全対策などに充てる。
山梨県は昨年、通行料と入山規制を初めて導入。吉田口利用者は14万9700人で、徴収総額は約2億9800万円。夜間の登山者数は前年の1割に低下していた。