トラックハウスMotoGPチームの代表を務めるダビデ・ブリビオ/2025MotoGP第2戦アルゼンチンGP 3月16日、2025年MotoGP第2戦アルゼンチンGP MotoGPクラスの決勝レースがアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われ、ルーキーの小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は8位を獲得した。しかし、正式結果にて失格という裁定が下り、チームが声明を発表するとともにチーム代表のダビデ・ブリビオ氏がコメント残した。
2025年シーズンから新たにMotoGPクラスに昇格し、ルーキーとして戦っている小椋は、開幕戦タイGPで予選ダイレクトQ2進出を決めて初のスプリントと決勝ともにシングルフィニッシュ。劇的なデビュー戦を飾って周りに存在感を示すだけでなく、ブリビオ氏からの称賛も受けていた。
多くの期待を胸に、小椋自身3年ぶりとなるアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドに乗り込んだ。この地でアプリリアRS-GP25での走行経験はなかったものの、小椋は初日から少しずつ合わせ込みを行った。予選では15番手、スプリントは15位となったが、日曜日の決勝レースでは開幕戦同様の速さを見せた。
絶好のスタートを決めてトップ10圏内に浮上すると、多くのライバルたちとバトルを展開。激闘の末に7つポジションを上げて、8位と開幕戦に次ぐトップ10入りを果たす好走を披露した。ところが一転、レース終了後に承認されていないバージョンのソフトウェアを使用したことが確認されたため失格という結果に。
これは、グランプリ規則の第2.4.3.5.3条にある『電子制御ユニットおよび慣性計測ユニット』に違反していることになるため、FIM MotoGPスチュワードパネルは小椋に失格という裁定を下したのだった。この結果を受け、トラックハウスMotoGPチームは以下のように声明を発表した。
「技術的なエラーにより、アルゼンチンGPで使用された79号車のバイクに間違ったECUが搭載され、レース後に審査委員会がこれをホモロゲーションルール違反とみなしたため失格となった。バイクの電子設定は正しかったものの、間違ったソフトウェアがロードされていた。しかし、このエラーによって小椋がトラック上でパフォーマンス上において優位性を得ることはなかったことが認められている」
上記のように公認ファームウェアのエラーだったことをリリースで説明をした。さらに「小椋のパフォーマンスは完璧で、15位から8位でフィニッシュするまで素晴らしいレースを展開してくれた。彼のバイクは現在のホモロゲーションに準拠していなかっただけで、彼に落ち度はない」とも記されていた。小椋も結果を残していただけに「残念でならない」と語っており、そのことも受けてチーム代表のブリビオ氏が謝罪のコメントも発表した。
「藍に対するレース後の制裁は非常に残念だ。私たちはスチュワードの決定を受け入れなければならないけれど、藍にはとても申し訳ないと思っている。なぜなら、この(ソフトウェア)によって彼が有利になったわけではないし、素晴らしいレースとコース上での素晴らしいパフォーマンスからポイントを取り上げてしまうのはとても残念なことだからだ」
「彼がやったことに対しては何も影響を与えない。単にECUのソフトウェアのバージョンが間違っていただけだ。彼は素晴らしいレースをし、見事なリカバリーを見せてくれたから、我々は前進し継続していくつもりだ」
今回の失格を受けて獲得したポイントがなくなってしまい、暫定では第2戦終了時のランキングは5位であったが、8位に繰り下がりとなり、小椋にとってMotoGP2戦目は悔しさが残るものとなった。今回のようなことが再び起こらないことを祈るとともに、次戦の第3戦アメリカズGPでは雪辱を晴らす活躍を見せてくれることに期待することにしよう。
[オートスポーツweb 2025年03月20日]