《皮膚科医が伝授》花粉や乾燥でダメージが蓄積、シミやシワの原因に「春のゆらぎ肌」対策ワザ

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2025年03月20日 16:00  週刊女性PRIME

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ゆらぎ肌の対策をしてシミとシワを防止

 肌のバリア機能が弱まる春先は、化粧ノリが悪くなったり、いつもの化粧水がヒリヒリしみたりと、肌のダメージを感じやすくなる時季。「内外からのケアでゆらぐ肌は整えられます」とアドバイスしてくれたのは、うるツヤ肌を通年キープしている美女皮膚科医。今日からできる対策をご紹介!

中高年の肌はゆらぎやすい

 春先になると、肌の赤みやざらつき、湿疹など、何かしらの不調やトラブルを感じる人は少なくない。

 「春は慢性的な乾燥肌の人やアトピー体質の人だけでなく、普段は肌の不調を感じにくい人でも敏感症状が現れやすい時季です。乾燥や赤みが生じ、肌の調子が落ちている状態のことを、ゆらぎ肌といいます。

 ゆらぎ肌は、冬の乾燥した空気で水分が奪われバリア機能が落ちている肌に、花粉やPM2・5などの大気汚染物質や、紫外線などによる外部の刺激が加わることで起きます。季節の変わり目で自律神経が乱れるのも、原因の一つです。また、加齢に伴いセラミドという肌の潤いを保つ成分が減少してしまうため、中高年は特に肌がゆらぎやすいといえるでしょう」

 と話すのは、皮膚科医の慶田朋子先生。恐ろしいのが、ゆらぎ肌を放置すると、肌の老化が加速するということ。

 「ゆらぎ肌はいわゆる未病の状態ではありますが、肌が炎症を起こしていることに変わりありません。その炎症がシワや色素沈着などの原因になるので、スキンケアの見直しや対策が必須なのです」(慶田先生、以下同) 

 ゆらぎ肌を防ぐ一番のポイントは、花粉や汚染物質の付着をできるだけ避けることだという。

 「そのために重要なのが、日中、メイクをしないときでも日焼け止めや、UVカット効果のある下地クリームを塗っておくこと。春先から強くなってくる紫外線をガードするだけでなく、日焼け止めがベールになって、花粉などが直接肌につくのを防いでくれます。また、メイクの仕上げにパウダーをしっかりはたくのも、肌を守る対策として有効です」

日焼け止めと保湿ケアを

 花粉などの汚染物質を家の中に持ち込まないための工夫も必要。コートは毛足の長いものを避けて、花粉がつきにくいナイロン地などの表面がツルツルしたものを選ぼう。家の外で花粉をはらい落として、玄関に掛けておくのも鉄則。髪を下ろしていると、髪についた花粉などが肌につきやすくなるため、ヘアスタイルをコンパクトにまとめるのもポイントだ。

 「花粉や汚染物質は肌に長時間つけたままにしないことが大事なので、帰宅後すぐの洗顔もマスト。クレンジング剤は、メイクの脂をすばやく乳化させ、こすらずにスッと落とせる肌への負担が少ないものを選んで」

 もう一つの重要ポイントが、とにかく徹底して肌を保湿すること。

 「きちんと肌を保湿して乾燥させないことが何より重要です。肌が十分に潤っていると、バリア機能も正常に働きます。化粧水はじっくりと二度塗りし、その上から保湿剤でしっかり保護して潤いを閉じ込めるのが大切です。保湿剤はもったいないからとケチらずに、塗った肌を触ると、手のひらがベッタリとくっつくくらい使用してください」

 保湿剤は水分をしっかり蓄えてくれる性質を持つ、アミノ酸、ヒアルロン酸、セラミド、多糖類といった成分を複数含んだ乳液やクリームをチョイスして。

 「化粧品を塗るときはコットンではなく、手でのばすほうが肌には低刺激。どうしてもコットン派という人は、ふかふかとして厚みがある肌あたりのやさしいものを選び、こすらずに使用してください」

 肌がゆらいでいると、水分量が多い化粧水がしみることがあるので、いつもとは違うケアが必要だそう。

 「その場合は、化粧水や美容液は塗らずに、乳液やクリームだけを塗って様子をみて。油分の多いバームやワセリンを使用して、肌を保護するのも効果的です。改善したらいつものスキンケアに戻して大丈夫ですが、しばらくしても治らない場合は何らかの疾患が発症している可能性があるので、迷わず皮膚科を受診してください」

 基礎化粧品を見直す際は、大手化粧品メーカーが販売している、敏感肌用の商品を試すのもアリ。

 「きちんとした研究の裏打ちがありながらも、価格が比較的抑えられている商品もたくさんあるので試してみるのも手です。ただ、肌がゆらいでいるときに、これまで使ったことがない新しい化粧品の使用は避けてください。肌の調子がいいときにいくつか試してみて、ゆらいでいるときでもこれなら安心して使えるというお守り的な化粧品を見つけておくといいでしょう」

脂質とビタミンAで内側からもケア

「日々の食事からできる対策も。肌の潤いのもとになる細胞間脂質は脂質からつくられるので、良質な油を摂取することが大事です。サラダには、オメガ3が豊富なエゴマ油やアマニ油。加熱調理には、熱を加えても酸化しにくいオリーブ油やコメ油を適度に摂取することを心がけてください。最近ではダイエットで過度に脂質を制限している人もいますが、肌の保湿力が低下するので、皮膚科医としてはおすすめできませんね」

 肌の潤いをアップさせるには、ビタミンA、C、Eをとるのも効果的。

 「中でもビタミンAは抗酸化の王様といわれ、レバーやうなぎ、卵、アーモンド、ニラなどの食品に豊富に含まれます。サプリメントで補うのも効果がないとはいいませんが、基本は食事からとることを推奨します」

 また、自律神経の乱れも肌のゆらぎにつながるため、ストレスを遠ざける工夫も大切だ。

 「春は年度替わりに伴い、自分や家族の生活環境が変わるなどで、気づかぬうちに小さなストレスをためがちなので意識してリラックスタイムをつくるのが大事。私は読書や植物の手入れ、料理などで息抜きをしていますが、お笑い番組を見る、好きな音楽を聴くなど、心が解放されることなら何でもいいです。普段から、これなら気軽に気分転換ができるという楽しみをいくつか見つけておきたいですね」

 それらの楽しみに加え、身体を適度に動かすのも、ストレス発散につながる。

 「例えば家事の合間に肩を回したり上下に動かすといった軽いストレッチだけでもいいので、身体をゆるめる時間を設けるのがおすすめ。その際に、いつもより深めに呼吸をすると、副交感神経が優位になり自律神経のバランスが整いやすいので試してみて。

教えてくれたのは●慶田朋子先生…東京女子医科大学卒業後、同大皮膚科助手等を経て2011年、銀座ケイスキンクリニック開設。最新の美容テクニックを駆使し、肌トラブルの改善に努める。著書多数。

取材・文/伊藤淳子

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