「風呂に入らない」と公言するアイドルを直撃。風呂キャンセル界隈から支持されるも「シャンプーのCMオファーは永遠に来ない」

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2025年03月24日 16:21  日刊SPA!

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一時は廃人のようになっていたという
SNSを中心に話題を呼び、すっかり世間へと浸透した「風呂キャンセル界隈」。身近なテーマであるがゆえに「あまりにも不潔」「たまにやってしまう」など、賛否両論な議論が展開しやすいこともトレンド化した理由のひとつだろう。
そんな同界隈の盛り上がりを推し進めた一人に、現役アイドルがいることをご存知だろうか。お笑い特化型のアイドルグループ『にっぽんワチャチャ』に所属する鈴木Mob.さんである。

自身が風呂キャンセル界隈だといち早く宣言したアイドルとして、いまだに多くの取材依頼が届いているのだそう。いまもなお界隈にどっぷり浸かっていると話す鈴木Mob.さんに、風呂キャンセル界隈の最新事情を聞いてみた。

◆風呂キャンセル界隈にも動きが

――ここ最近の風呂キャンセル界隈で、話題になっていることがあれば教えてください。

鈴木Mob.:名称を「風呂スキップ界隈」に変えようとする派閥の存在が明らかになっています。どうやら「キャンセルでなく、明日へとスキップしている」ことを前面に押し出したいのが理由のようですね。

さらには、夜は難しくとも朝にはシャワーを浴びる「ライト風呂キャンセル界隈」も台頭してきているように感じます。実はまだまだ、討論しがいのある楽しいコミュニティといえますね。

――そのような動きについて、鈴木さんの見解をお聞きしたいです。

鈴木Mob.:「名前なんて何でも良い!」と思っています。私もスキップしているし、ライトな日だってあるので、いまはトレンドとしてみんなで楽しむのが良いんじゃないかな。

ちなみに、私が風呂キャンセル界隈の始祖だと思っている方がたまにいますが、決してそのようなことはありません。誰かがSNSで発言したのを面白いと感じ、YouTube配信のなかで乗っかっただけなんです。

◆シャンプーのCMオファーが永遠に来ない

――風呂キャンセルを宣言したアイドルとして、活動に影響が出たことがあれば教えてください。

鈴木Mob.:ファンの方を中心に、コミュニケーションの幅が広がったのは素直に嬉しいですね。生配信を始めると、コメント欄で「今日風呂入った?」と確認される謎の風習が一部生まれています。

特典会では、初めましての方から「私は3日入ったことがありません」といった、とんでもない自己紹介を受けることも増えました。「やばいね」なんて返しながら、気軽に仲良くなっていける感覚がとても好きです。

マイナスの影響としては、シャンプーのCMオファーが永遠に来ないことぐらいですね。

――ほかにも、風呂キャンセルを宣言してプラスになったことがあれば教えてください。

鈴木Mob.:最近だと、大学生から「風呂キャンセル界隈の人ですよね?」とスターのような扱いを受けたのは面白かったです。若年層とのあらたな接点を作れたのも、風呂キャンセルを宣言した効能といえますね。

私は以前「正面からでもお尻が見える」という信じられない理由でバズり、多くの人から認知をもらったことがありました。いまでもそんな「お尻の層」には支えてもらっているのですが、最近では「風呂キャンの層」からも愛され始めているのは嬉しく思います。

◆「自分をさらけ出すことの大切さ」に気づく

――アイドルなのにお風呂に入らない宣言をするのは、実は勇気が必要だったのではないでしょうか?

鈴木Mob.:当時は自分がアイドルであることなど、まったく気にせずに発言していました。それも『にっぽんワチャチャ』が、自然体の私をまるっと受け入れてくれるグループだからだと思います。

そもそも私は生まれつき、周囲の視線をやたらと気にするネガティブ思考の持ち主なんです。悪目立ちしない予防策のためだけに、学校の成績でトップクラスを維持するような人間でした。

「めちゃくちゃ売れるから」と騙されて(笑)加入したこのグループでも、初めは外面の良さ全開で挑んでいたんですよ。キラキラした姿を見せるのが当たり前だと思っていたので、もしかしたら当時は張り付いたような笑顔をしていたかもしれません。

――その状態から、どのようにしていまの鈴木さんにつながるのか気になります。

鈴木Mob.:ある日、そんな私の様子を見た事務所の社長から「それは本当のお前ではない」と指摘を受けました。「アイドルなのに自分を出しても良いの?」と、一気に目が覚めた感覚をいまでも覚えています。

それ以降は、アニメオタクで内弁慶で、本当はだらしない。もはやアイドルとはほど遠い自分の素を出してみることにしました。すると「いまのさらけ出してくれる感じが好き」と言ってくれるファンの方がたくさんいて。

つまり私は『にっぽんワチャチャ』に入ったおかげで、ようやく自分の人生を生きていけるようになったんです。「お皿キャンセル」「靴下揃えキャンセル」など、まだまだ出せるものはたくさんありますよ。

◆武道館公演を本気で目指し「一秒たりとも時間を無駄にできなかった」

――『にっぽんワチャチャ』は、2025年3月31日に日本武道館での単独公演が決定しています。これまでの道のりで、大変だったと思うことがあれば教えてください。

鈴木Mob.:結成当初から掲げていた「3年で武道館へ行く」目標を果たせなかったときは、全身の力がすべて抜けてしまう感覚に陥りました。

少数精鋭で戦う『にっぽんワチャチャ』は、動画編集やデザインなど、すべて自分たちでおこなっています。つまりはブラック企業のようなものです。

武道館の切符をつかむためには、一秒たりとも時間を無駄にできませんでした。もはやお風呂の存在すら忘却してしまうほど、グループの活動に全力を注ぐ日々を送っていました。

それでも、目標を達成できないことがわかったとき。人生まるごと否定されたかと思うほどの現実に、私はすっかり廃人のようになってしまいました。

――約10カ月後、あらためて日本武道館への扉が開きました。

鈴木Mob.:社長やメンバーの頑張りで日本武道館の夢は叶ったものの、素直に喜べない自分がいました。大きな挫折に完全敗北していた私は、夢を見ていた頃とは変わり、満足に活動ができない日々を過ごしていたのが理由です。

「自分の実力でステージに立てるわけではない」そんな考えが頭をグルグルと巡り、どうしても離れてくれませんでした。さらに、いまのままでは武道館の席を埋められない恐怖が後押しし、ストレスが限界を迎えていました。

◆復活するにあたってのキーマンは…

――辛い状況から、どのようにして復活を遂げたのでしょうか。

鈴木Mob.:私がいま、なりふり構わず行動できるほど回復したのは、猫の「ポテ」との出会いがあったからです。今日も、彼の耳毛をパフパフ食べてからここに来ています。

生後3ヶ月のポテを育てていくなかで「この子のために」という気持ちが素直に芽生えていきました。同時に、挫折に負けてしまった理由は、自分のためにしか頑張れていなかったからだと気付いたんです。

ポテのミルクを自分で作り、何を買ってあげるか悩む日々を送っていたら、いつの間にかアイドルとしてのエンジンがかかっていました。いまはもう、すっかり人生のパートナーです。

私が珍しくお風呂に入っていると、心配して様子を見に来るのがキュートでたまりません。

◆「また飲み行こな」居場所があるから笑える

――鈴木さんは、日本武道館のステージを最後に『にっぽんワチャチャ』卒業を発表しました。理由についてぜひ教えてください。

鈴木Mob.:アニソン歌手になる夢を叶えるため、もっとアーティストとして厳しい環境に身を置きたいと思ったのが理由です。

実家がアニソンカフェをしていたこともあり、これまでずっとアニメに支えられて生きてきました。違う道を歩むなら、日本武道館という目標を達成するこのタイミングしかないと思い、卒業を宣言しました。

――結成当時からのメンバーである遠藤Nozomiさん、渡辺Liliさんに卒業を伝えたときは、どのような反応だったのでしょうか?

鈴木Mob.:2人とも「このグループは守っておくから、好きにやっておいで。また飲みに行こな」という感じでした。

日本武道館が『にっぽんワチャチャ』第一章の最終回であることは、私たちの共通認識です。このタイミングでの卒業だからこそ、まっすぐに受け入れてくれたのだと思います。

私はこのグループを「実家」と呼んでいます。何かあったら絶対すぐに飛んでいくし、これからもずっと一緒に支え合っていきたいです。

◆武道館公演への意気込みは?

――そんな鈴木さんが全力で臨むであろう日本武道館公演。最後に、ステージへの意気込みを教えてください。

鈴木Mob.:私たちは、お笑い特化型アイドルとして5年間活動してきました。どのグループよりも、武道館というステージを駆使して笑いを取る自信があります。

いま私たちが画策している「お祭り感満載」のパフォーマンスであれば、きっと風呂キャンセル界隈で私を知ってくれた人も楽しんでくれるはず。さらには「正直ワチャチャをあまり好きではない」人たちですら、予想以上の演出に笑いをこらえきれなくなるでしょう。

自分をさらけ出して、等身大で頑張ってきた人生のすべてを、この公演にぶつけます。エンタメとして楽しんでもらい「面白いもん見れて丸儲け」と思ってくれたら嬉しいです。

ちなみに、武道館のステージをでんぐり返しで移動したいと提案したら、メンバーから即却下されました。私たちは、お笑いには厳しいんです!

<取材・文/川上良樹>

【川上良樹】
エンタメ好きなフリーライター。クリエイターやアイドルなどのプロモーション取材を手掛ける。ワンドリンク制のライブが好き。

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  • 「シャンプーのCMオファーは永遠に来ない」 →一之輔師匠も永遠に来ない…。
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