石破首相「地方に質の高い産業を」＝東京一極集中是正で―諮問会議

　政府は２４日、首相官邸で経済財政諮問会議（議長・石破茂首相）を開催し、政権の看板政策「地方創生２．０」について議論した。石破首相は「東京一極集中を是正し、若者や女性に選ばれる地方経済を構築するには、地方に質の高い産業、雇用の場を創出することが重要だ」と強調。民間議員は、小規模でも生産性の高い企業の育成や、女性の正社員雇用拡大に向けた地方への企業の本社機能移転といった東京と地方の賃金格差是正につながる取り組みを政府に求めた。

　会議では、東京都に埼玉、千葉、神奈川各県を加えた東京圏への人口流入がコロナ禍でいったん減った後に再び増加していることや、全国平均に比べて東京圏の女性の正規雇用率が高いことを示す資料などを内閣府が提出した。こうした状況を踏まえ、民間議員は地方の賃金や処遇の改善を進めて東京との格差是正を図る必要性を指摘した。

　地方において雇用割合の高い非正規の処遇についても言及。２０２４年度の最低賃金がトップの東京都と最下位の秋田県では２１０円超の開きがあることなどから、全国平均１５００円の政府目標に関し民間議員は「地域間格差の是正を図りながら取り組むべきだ」と提言した。