統合作戦司令部が発足し、記者会見する南雲憲一郎司令官=24日午後、防衛省 自衛隊統合作戦司令部の初代司令官に就いた南雲憲一郎空将(59)が24日記者会見し、「先達の礎の下、新たな歴史を築きたい」と抱負を述べた。
陸海空3自衛隊を一元指揮する強い権限が与えられた新ポスト。南雲氏は、新装備品の運用体制や領域横断作戦能力の早期確立を課題に挙げた。敵基地攻撃能力(反撃能力)の行使については「高度な政策判断が必要だ。大臣の指揮の下、一体で任務に当たる」と話した。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」に感銘を受けて自衛官を志し、1989年空自入り。F15戦闘機のパイロットとして、対領空侵犯措置に当たった。防衛大の2年先輩で、空自千歳基地などで共に勤務した内倉浩昭航空幕僚長は「部下の心に火を付けるモチベーター的指揮官。熱血漢と冷静なリスクマネジメントの両面を併せ持つ」と評する。
2023年から統合幕僚副長として、吉田圭秀統幕長を支えた。自衛隊幹部は「補佐に徹しつつも、必要な場合は強く意見する。長年の夫婦のようだ」とし、組織運営の要となる統幕長との意思統一に太鼓判を押した。
真珠湾攻撃などを指揮した旧海軍の南雲忠一中将と同じ山形県米沢市出身。パイロットの愛称となるTACネームも「CHUJYO」だが、血縁関係はないという。統合作戦司令官の階級は、旧日本軍では大将に相当する。