宮中晩さん会に臨まれる天皇、皇后両陛下とブラジルのルラ大統領(中央左)。右端は同大統領夫人=25日午後、皇居・宮殿「豊明殿」 国賓として来日したブラジルのルラ大統領夫妻を歓迎する天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会が25日夜、皇居・宮殿「豊明殿」で開かれた。天皇陛下はあいさつで、日本とブラジルが今年、外交関係樹立130周年を迎えることに触れ「両国の友好関係がますます深まることを切に願います」と述べられた。
国賓を歓迎する宮中晩さん会は2019年5月のトランプ米大統領(第1次政権)以来6年ぶりで、令和では2例目。両陛下の長女愛子さまが初めて出席した。
天皇陛下は、日本人移住者を迎え入れてきたブラジル政府、国民の「ご厚意があったことを忘れることはできません」とも話し、環境や気候変動、防災の分野で今後も両国が協力して世界に貢献することを願っていると述べた。
大統領は答辞で、両国関係について「互いに強化し合ってきました」と述べた上で、両陛下の日系社会への心配りに敬意を表した。
宮内庁によると、両陛下と相談の上、宮中晩さん会で初めて和食前菜をメニューに含めたほか、会話を妨げないよう、係員による食事の提供回数を減らした。服装はブラジル側の要望を受けて「平服」となった。
出席者数は感染対策で前回よりも少ない約110人。石破茂首相夫妻をはじめ、サッカー選手三浦知良さんらが招待された。
午前には宮殿東庭で大統領夫妻の歓迎行事が行われた。続いて両陛下は宮殿「竹の間」で大統領夫妻と会見した。

宮中晩さん会に初めて出席された天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=25日午後、皇居・宮殿「豊明殿」

ブラジルのルラ大統領夫妻を歓迎する天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会に出席する三浦知良さん(前列左)=25日午後、皇居・宮殿「豊明殿」