新婦が失踪した結婚式 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「結婚」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2017年7月17日 記事は取材時の状況)
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一生に一度、人生の大舞台である結婚式。しかしだからこそ、想像もし得なかったハプニングが起こってしまうこともしばしば。
これまで1000組以上のカップルの式に関わってきた、ウェディングプランナー歴11年のベテランである吉住(仮名)さんも、思いもよらない数々のアクシデントを目の当たりにしてきたそうです。
その中でも、今までで最も「ドン引き」だった結婚式について語ってくれました。
◆結婚式当日に新婦の失踪が発覚
「結婚式のドタキャンって、年に1回や2回は起こるものなんですよね。直前に浮気がバレて破談になるというパターンが多いのですが、そういう時は大抵の場合は中止になりますよね。なのに、どうしても挙げなくてはいけない事情があるのか、まったく関係ない身代わりを立てることもあるんです」
以前、吉住さんが担当した結婚式でも、当日に新婦の失踪が発覚という大ハプニングが起こったそうです。もちろん新郎は茫然。新郎新婦の両親は阿鼻叫喚。これはもう結婚式中止でお食事会の流れだろうなと、粛々と対処を始めていたところ、思いもよらない提案がなされたのです。
「なんと『新婦の妹が姉の代わりなる』と、新郎新婦両家で決定したというのです! 新郎は気まずそうな顔をしながらも承知。新婦はなぜかノリノリでドレスに着替えていました。
しかもこちらがワタワタしている間に、出席者に『式場側が姉と妹の名前を間違えていた』と嘘の情報を流してたんですよ! もともと結婚する予定だったのは妹の方だったってことで押し通してました」
新婦が入れ替わったにも関わらず、友人たちの招待がない親戚のみの披露宴だったため、特に疑問に思う招待客もおらず式は問題なく進んだとか。
◆新婦の妹は代役にノリノリ。誓いのキスもしっかりと
その間も新婦役である新婦妹はノリノリ。誓いのキスもしっかりとし、ケーキカットにキャンドルサービス、色ドレスへのお色直しもして楽しそう。終始、幸せそうな表情を浮かべていたそうです。
「披露宴はスピーチも特に頼んでいなくて、家族対抗カラオケ合戦的なノリの余興だったので余計に助かったのではないかと。
ビックリしたのは両親への手紙。新婦妹が即興で書いたらしいんですけど、すごく心がこもっててまるで本当にお嫁に行くかのような感動的な内容でした」
◆半年後、花嫁妹は新郎と入籍・出産間近と報告された!
それから四方八方手を尽くしたものの、新婦だったはずの姉は見つからず。
結局、新郎と新婦妹が入籍したことを、半年後に報告されたそうです。もうすぐ子供も生まれるとのことでしたが、あの結婚式から半年後に臨月って……どう考えても計算が合わない……。
この新婦失踪劇の顛末は、「新郎に妹と浮気されたショックで姉が失踪」だったのではないかと、式場ではもっぱらのウワサになっているとか。
「そう考えると、あの新婦妹のはしゃぎっぷりは納得できますよ。両親がこの提案をしたのも、子どもができてたことを知ったからなんじゃないかと思うんです。なんか、新郎にも新婦妹にもその両親にもドン引きですよね」
そして、ウェディングプランナーの立場としては、もう一点ドン引きだったことがあったそう。
「あと、やっぱり勝手に『式場側の手違い』ということにされたことにもドン引きでしたね。親戚の方々から我々スタッフが白い目で見られて当日はすごくキツかったです。
でもこれはさすがに営業妨害に当たるため、式が終わった後で、ただちに新郎新婦両親から親戚に本当のことを伝えてもらいましたけどね」
後日、それを聞かされた親戚たちもドン引きだったでしょうね……。失踪してしまったお姉さんに幸多からんことを。
<TEXT/もちづき千代子 イラスト/鈴木詩子>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama