スマートグラス「XREAL One」対応カメラ「XREAL Eye」発表、映像に“近づいて”鑑賞できる 1万3980円

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2025年05月14日 15:21  ITmedia Mobile

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XREAL Eyeを取り付けたXREAL One

 日本Xrealは5月14日、スマートグラス「XREAL One」に対応するカメラとして、「XREAL Eye」を発表した。


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 グローバルでは発表済みで、今回は日本向けの発表となる。同日15時から公式サイトと家電量販店にて予約販売を行い、6月下旬にはAmazonと楽天市場でも取り扱う予定だ。価格は1万3980円(税込み)。


 XREAL OneはXREAL初の独自プロセッサ「X1」を搭載したスマートグラスだ。スマートフォンやPCでの処理を必要とせず、目の前に表示する画面を固定させるか、頭の動きに追従させるかの選択などをグラス単体で行えるが、コンテンツ視聴はスマートフォンや「XREAL Beam Pro」というコントロールデバイスに頼る必要がある。


 新たに登場したXREAL Eyeは、XREAL Oneの左右のレンズ間にあるブリッジに取り付けて使用する。主な特徴は3つあり、順に紹介する。


●6DoFに対応 映像の気になる部分に近寄って確認できる


 6DoF(6 Degrees of Freedom)に対応しており、写真閲覧アプリや動画コンテンツのアプリなどを好きな位置、好みの距離に配置できる。6DoFとは、「前後、上下、左右の移動」と、「ピッチ(上下方向の回転)、ロール(左右方向の回転)、ヨー(前後方向の回転)の回転」という6つの自由度を示す。


 例えば、アイドルのコンサートの映像を好きな位置に固定し、グラス装着者自らが近づいて、遠く離れた場所からでは確認しづらいアイドルの表情や動きを確認しやすくなる。


 筆者が所有している「XREAL Air 2 Pro」はプロセッサを搭載しないが、XREAL Oneと同じくスマートフォンやPCを介してコンテンツを楽しめる。しかし、先日新幹線でNetflixの映画を鑑賞した際、映像が表示されるウィンドウに顔を近づけようとすると、頭の動きに合わせてウィンドウごと動いてしまい、気になるシーンや俳優の細かい動きを確認できなかった。


 6DoFに対応するXREAL Eyeはグラス装着者による前後、上下、左右の移動と、上下左右へ回転する動きまで検知できるため、筆者が映画鑑賞時に感じたもどかしさが解消されるわけだ。同社でも、スポーツ観戦や映画鑑賞、仕事など、さまざまなシーンで自分に合った画面の位置へ調整できる」と、XREAL Eyeのメリットを紹介している。ただし、XREAL EyeはXREAL Oneにしか対応しない。


●軽量設計で装着感に違和感を与えない


 1.35gと超軽量設計である点もXREAL Eyeの特徴の1つとなっている。XREAL Oneに装着しても長時間快適に拡張現実の世界を楽しめるという。短時間ながら実際に装着したところ、装着していることを忘れてしまうほど、小型で軽量なためストレスを感じなかった。もちろん、グラスの重量は長時間装着するほど負担に感じてくるが、XREAL Eye単体が軽量なため何かが上乗せされた感はない。


●カメラとしても機能するが、シャッター音は消せない


 XREAL Eyeの装着により、写真と最大60秒の動画を撮影できる。マルチファンクションボタンはシャッターボタンに切り替わる。ボタンを押すと静止画を、長押しすると動画を撮影できる。さらに、手ブレ補正機能(EIS=電子式)を搭載し、滑らかで安定した映像を残せるという。


 写真と動画の撮影時には、セキュリティ対策としてシャッター音とフラッシュが作動する仕様となっている。日本Xrealでプロダクトマネージャーを務める高天夫氏は「たとえ開発者でもシャッター音は消音できない」ようにしていると説明している。あわせて、写真撮影や動画撮影の際には、「周囲の人に十分に配慮し、法令に順守した上で、撮影していい環境なのかどうか」も事前に確認するよう注意を促している。


 撮影したデータはローカルストレージへ保存される仕様だが、保存先は発表時点でXREAL Beam Proのみとなっている。スマートフォンやPCなど他のデバイスにも直接保存できるようになるかどうかについては、「今後検討していく」(同氏)としている。


 使用上の注意点として、日本Xrealは「異物・ホコリ・水分などが端子部に侵入することを防ぐため、XREAL Eyeを取り外した際は、XREAL One本体の接続端子に付属のカバーを確実に取り付ける」ことを案内している。


●「スマートグラスに6DoF実装」を伝える難しさアリ 訴求には工夫と努力が必要か


 短期間ながら試用したところ、スマートグラスには撮影機能よりも6DoFが欲しいと感じた。撮影はスマートフォンに任せて、撮影した写真などはグラスで楽しむ、という使い方で十分だからだ。


 日本XrealでPRマネージャーを担当する尾崎大介氏は、「体験を通じて6DoFを訴求していきたい」と話す。それなら、XREALの新旧モデルを一般の人にも体験できるようにし、6DoFが何かというより具体的に何ができるか否かを伝えていく工夫と努力がスマートグラス以上に必要だと感じる。


 6DoFは、スマートグラスなどをはじめとする製品になじみがないと、あまり聞き慣れない用語だからだ。XREAL Eyeが6DoFに対応したことで、仮想空間内に固定されたウィンドウに近寄ったり、のぞき込んだりできるようになったワケだ。



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