国民民主、参院選擁立で神経質＝「即戦力」候補に確認書

　国民民主党が夏の参院選の候補者擁立を巡り神経をとがらせている。元衆院議員で「即戦力」と期待する足立康史氏、山尾志桜里氏らの擁立を１４日に決めたが、発表に至るまでには支援団体の連合の反発やＳＮＳでの批判を浴びた。党執行部は候補者に反党行為を禁じる「確認書」を求めるなど、沈静化に躍起になっている。

　「いろんな政治経歴の方も参加することを考えないと党は大きくならない」。参院選でも躍進を目指す玉木雄一郎代表は１３日の記者会見でこう強調した。併せて、比例候補に「党として合意した事項に反する行動は取らない」ことを約束させる確認書への署名を求めていると明らかにした。

　確認書に署名した一人が、当初大阪選挙区での立候補を調整していた足立氏だ。日本維新の会の衆院議員時代に労働組合批判を繰り返した姿勢に連合の不満が噴出し、比例に回ることに落ち着いた。執行部は確認書によって連合の理解も得たい考えだが、擁立を決定した１４日の両院議員総会でも過去の言動に懸念の声が上がった。

　山尾氏の出馬は４月下旬にも発表予定だった。しかし方針が事前に報じられると、衆院議員時代の不倫疑惑やガソリン代不正支出に対する批判がインターネット上で殺到。発表を一時見合わせざるを得なくなった。

　曲折を経た擁立について、舟山康江両院議員総会長は１４日の会合後、「批判の声を勘案しても公認すべきだということで決まった」と語った。ただ、連合幹部は「離れる支援者が相当出る」と冷ややかで、党内からも「節操がない」（関係者）との指摘が漏れている。