写真 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2022年5月22日 記事は取材時の状況)
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「この人、合わないかも…」そう感じるポイントは色々あります。それはファッションだったり、笑いのツボだったり、もしくはお金の使い方だったり…。
「金銭感覚が違いすぎて…僕の手に負えないなと思ってしまいました」そう話すのは鈴木翔太さん(30歳/仮名)。
◆写真の女性に一目惚れ
ある時、翔太さんの目に止まったのは、仲の良い女友達A子さんのSNSの投稿でした。
「学生時代からの友人のA子が、めちゃ可愛い女性との写真をアップしてたんです。投稿を読むと通っているヨガ教室で仲良くなった子のようでした」
その時、ちょうど彼女もいなかった翔太さんはA子さんに「一緒に写ってる子だれ?めちゃタイプ!」とLINE。なんとか頼み込んで、会う機会を作ってもらいました。
◆連絡先ゲット!
A子さんとA子さんの彼、そして意中の女性の奈緒子さん(28歳/仮名)と翔太さんというメンツでランチへ。
「最初は緊張して何を話したか覚えていませんが、奈緒子さんは写真で見るよりも“どタイプ”でした!」
その日は舞い上がってしまい、うまく話せなかったのですが、“櫻井翔”似で笑顔の可愛い翔太さんは女性受けするタイプ。奈緒子さんも、まんざらではない様子で、彼女の連絡先のゲットに成功しました。
◆いざ、初デートへ!
さっそくデートの約束を取り付けた翔太さん。奮発して、少しお高いレストランのランチを予約しました。
友人のA子さんからは「彼女はかなりの“お嬢さま”だから、覚悟した方がいいよ」と忠告されますが、深く気にせずにウキウキ気分で出かけます。しかし、後にこの忠告を思い出すことに…。
「少し早く着いて予約したテーブルで待っていると、時間ちょうどに奈緒子さんがやってきました」
少し分かりにくい場所だったため「ここ、迷わなかった?」と聞いた翔太さん。奈緒子さんは笑顔で「大丈夫!遅れるといけないと思って、駅からタクシーで来たから」と返事。
「ちょっと驚いて『マジで!?あせらなくても良かったのに!』と言いましたが『ううん、大丈夫』と言ってくれました。
『遅れないように、わざわざタクシー使ったんだ!』って感激しました。いい子だなって…」
◆あれ…飲み物って…
ランチはコースを予約していた翔太さん。飲み物を選んでいると「セットのドリンクはこちらからお選びになれます」と店員さんに促(うなが)されました。しかし…
「驚いたのは、彼女が『アイスロイヤルミルクティーで』と“セット以外のドリンク”をオーダーしたことです…。いや、僕の懐が狭いのは承知なんですが…、普通、セットの中のドリンクを選びませんか…?」
店員さんが「セットになりませんが、よろしいですか?」と奈緒子さんに確認したものの、「はい」と彼女は即答。翔太さんは「あ、セットじゃなくても飲みたい物を頼むのが彼女には普通なんだ…」と、少し呆気(あっけ)に取られたそう。
◆デザートも…!?
出だしに受けた衝撃を隠しつつ、なごやかにランチを進めた翔太さん。しかし、さらなる衝撃が待ち構えていました…。
「最後のデザートを選ぶ時に、店員さんが『こちらのメニューのデザート以外にも、本日は数量限定で“季節のフルーツを使った〇〇△△”もご用意しております』って特別そうなのをおすすめしてくれたんですよ」
そういう場合、翔太さんは「追加料金かかるのかな?」と気になり、確認することも多いとのこと。しかし、奈緒子さんは全く金額を気にする様子はなく「あ、じゃあそれで」とあっさりとオーダーします。
「ガチのお嬢様だなって思いました。少しの差額なんて、まったく気にしないで生きてきた、という感じがにじみ出ていました…」
後から金額を確認したところ、やっぱりその特別なデザートにはプラス料金がかかっていたそう。
◆お会計へ!
少しばかり、自分のお給料には痛手なランチだった翔太さん。腹をくくってお会計をしようとすると…。
「奈緒子さんが『あっ、割り勘にしましょう!』って言ってくれたんです。僕がケチケチしてるのに気がついたのかも知れません…」
しかし、自分が誘ったその日のデートはもちろん奢(おご)るつもりでいた翔太さん。「今日は大丈夫だから!奢らせてよ」と遠慮します。
◆いい子だな、でも…
正直なところ、デートの会話の内容やその日の彼女の美しさよりも、彼女のお嬢様っぷりが強く印象に残ってしまった翔太さん。
「いい子だったんです…。でも、正直僕には手に負えないかも知れないと感じました。金銭感覚が全然違うんだろうなって…。タクシーも、ふだんから使ってるんだろうなって後から思いました」
1回のデートで住む世界の違いをヒシヒシと感じた翔太さん。その後もデートに誘おうか悩んだものの、最初のデートで感じてしまった引け目を思い出してしまい誘えず、フェードアウトしてしまったのでした。
<文/まなたろう イラスト/ただりえこ>
【まなたろう】
多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きでコーヒーソムリエ資格取得。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。