画像提供:マイナビニュース南海電気鉄道は15日、鉄道事業において2025年度に総額約250億円の設備投資を行う計画と発表した。昨年度に続いて8300系の車両新造・更新を進めるほか、自動運転(GOA2.5)やワンマン運転の取組みなど「持続可能な鉄道事業の実現」もめざすとしている。
8300系は2015年度から導入開始した一般車両。「省エネルギー化」「安全・サービスの向上」「車両メンテナンスの向上」をめざし、「人と環境に優しい車両」として開発され、当初はおもに南海線で運用されたが、現在は高野線などでも活躍している。12両を新造した2024年度に続き、2025年度も8300系を12両新造する予定。2024年度末時点で、8300系の導入車両数は136両とされ、2025〜2027年度にかけても40両導入する計画だという。
2025年度は8300系の新造車両や50000系(「ラピート」車両)など、計152両で車内防犯カメラの設置も予定している。今年度末までに、ケーブルカーを含む全812両のうち51%の412両で車内防犯カメラを設置完了予定とのこと。2028年度末までに全車両で運用開始をめざす。
「持続可能な鉄道事業の実現」に向けた取組みの一環でワンマン運転も推進。2024年度はワンマン運転に伴うハードウェア対策(車両側面カメラ、進出用非常通報装置など)を整備した上で、8300系4両編成を使用する一部の普通を対象に、南海線の泉佐野〜和歌山市間で今年3月からワンマン運転を開始した。2025年度は「将来の全線ワンマン運転化に向けたハードウェア対策計画の策定を推進」する予定と説明している。
今後の生産年齢人口減少で乗務員の確保が難しくなる中、2027年度に高師浜線で「GOA2.5 自動運転」を開始するための環境整備も進める。今年3月末をもって和歌山港線での自動運転実証試験を終了し、「GOA2.5 自動運転検討委員会」において有識者による安全性等の評価を受けた。2025年度は高師浜線における「GOA2.5 自動運転」に必要な地上設備と車両改造のための詳細設計に加え、機器類等の製造も開始する。
その他、駅ホームの安全性向上(ホームドア設置工事、転落検知センサー実証試験)と施設更新、駅舎リニューアル・バリアフリー化の推進、駅トイレリニューアルプロジェクトの推進、連続立体交差事業、耐震補強工事、防災工事などの設備投資を行う。2025年度末に難波〜極楽橋間で新たな観光列車(4両編成)の運行をめざすことも明らかにしている。(MN 鉄道ニュース編集部)